満員電車で、女性「痛いです!」→ハンディファンに「髪の毛」が巻き込まれ… 増えるトラブル、危険な距離は?

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2025年07月29日 07:30  まいどなニュース

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満員電車でハンディファンを使用している女性がいて…(いらすとや)

「痛いです! 痛いです!!」と女性の悲痛な声が聞こえてきたのは満員電車。投稿主が見ると、女性の髪が後ろの若い女性が使っているハンディファン(携帯用扇風機)の羽根に巻き込まれていました。

【調査】 髪の毛はどれぐらいの距離で吸い込まれる? 行われた実験内容

絡まった髪を切るほかないような状態で被害を受けた女性は非常に怒っており、問題が解決しないままふたりは次の駅で下車。事のてん末は不明だそうですが、「いくら熱中症対策って言っても、満員電車で使うものじゃないよね」とSNSでの目撃談が話題に。

なかには髪をおろしておく方が悪いといった理不尽な意見もありましたが、女性に同情的な人だけでなく、同様の事故に遭遇した人もいるようです。

「巻き込まれた女性気の毒すぎる。満員電車で扇風機使ったらどうなるか想像つかんのかな」 
「そんなこと想像したこともありませんでした。なるほど確かに近くで使えば巻き込みますね。勉強になりました」
「私も地下鉄でめちゃくちゃ満員なのにハンディ扇風機持って携帯触ってる女性!ちょっと違うだろ?って思いました」 
「私も今日朝の通勤電車で、ハンディファンに髪の毛巻き込まれて、巻き込まれた毛を切ることになりました…すごい謝られたけど切ることになって辛かった〜」

猛暑で利用する頻度が増えるハンディファン、このように思いも寄らぬトラブルに遭うことも。埼玉県の消費生活支援センターに寄せられた相談事例や、注意すべき点について紹介します。

何センチ先の髪の毛を吸い込むの?

埼玉県消費生活支援センターには、「満員電車でハンディファンを使っている人の近くにいたところ、髪の毛が引っ張られた。巻き込まれなくて良かったがけがになる可能性もあったと思う」と、まさに同類の事例が寄せられています。

昨年6月から今年2月にかけて埼玉県消費生活支援センターがおこなった「扇風機及びハンディファンに関するテスト」での、ハンディファンの結果に着目しました。

テストには、さまざまなハンディファンの中から、手で持って顔などに風を当てるタイプの商品を5台選定しました。

いずれも羽根を回転させ風を送り出す仕組みで、裏面から空気を吸い込みます。そのため、髪の毛などの異物を吸い込む危険性があり、どれぐらいの距離で毛を吸い込んでしまうのか、人毛製のウィッグを使っての調査でした。

その結果、埼玉県消費生活支援センターは「ハンディファンが髪の毛を吸込む距離は最大で約12センチであり、いずれも髪の毛が巻き込まれる可能性があることがわかった」と、最小風量で7センチ程度と報告しています。

乳幼児の指が入り込む製品も

また危険なのは髪の毛だけではありません。消費者庁(※1)によると、「1歳のこどもにスイッチの入った状態のハンディファンを渡したところ、こどもがそのハンディファンをなめて唇を切ってしまった」という事例も。

子どもが事故に遭う可能性を踏まえて、埼玉県消費生活支援センターではテストを実施。子ども(乳幼児)の指(小指)の大きさの平均値を、爪の根元の幅7.6ミリ、厚みを6.6ミリとし、それに近い大きさの六角形の鉛筆を模擬指とし、ガードのあらゆる隙間にさまざまな方向から押し込み、隙間に挿入できるかを試しています。

テストの結果、5つのハンディファンのうち2つに模擬指を挿入することができ、ハンディファンの製品によっては乳幼児の手指が製品内部に入る可能性があることがわかりました。ハンディファンを使用する際は、子どもの手が届かないよう注意する必要があるようです。

今回は、第三者を巻き込む事故についての紹介ですが、埼玉県消費生活支援センターには、ほかにもハンディファンにまつわる事故の事例もありました。

「購入したハンディファンを就寝中に床に置き充電を行った。数時間経過した頃に凄い臭いがし、フローリングが焼け、熱で本体、USBの一部が溶けていた。充電した状態で、長時間の外出中だったら火災になってもおかしくない」 
「ハンディ扇風機を使用しない状態で机の上に置いていたら、突然、プシューと音がした。扇風機の充電池部分と思われるところから煙が出ていて、異臭もした」
 「インターネットモールで購入した首掛け扇風機を利用したら、バッテリーを内蔵している所が熱くなり、煙が出た。やけどになりそうだった」

「製品の購入時や使用時に関わる注意すべき点の確認を行い、それらを周知することを目的」に、先述の「商品安全テスト」をおこなった埼玉県消費生活支援センター。相談事例やテスト結果などにもとづき、下記のように「消費者へのアドバイス」をおこなっています。

・扇風機とハンディファンは乳幼児が触れないようにしましょう。ガードの隙間は乳幼児の指が入る可能性があります。
・髪の毛などの異物が巻き込まれないよう注意しましょう。扇風機とハンディファンが空気を吸い込む力は強く、異物が羽根に巻き込まれ事故に至るおそれがあります。
・定期的に点検や手入れを行い、丁寧に取り扱いましょう。経年劣化や衝撃等により発火などの事故や故障を招くおそれがあります。

◇ ◇

ハンディファンは表面から涼しい風が送られてくるため、裏面には無頓着になることもあるのかもしれません。しかも、裏面から約12センチ離れていても髪の毛を吸い込んでしまう商品もあるため、周囲とは意識的に距離をとる必要があるでしょう。電車に限らず、人との距離が保てない場所では使用しない方が安全なようです。

今後、猛暑が続き、ますますハンディファンを所持する人が増えていくことが考えられるだけに、周囲に利用者がいる場合は、自ら距離を取ることも大事です。

(※1)消費者庁 コラムVol.10「携帯用扇風機の扱いにはご留意を!」より

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・谷町 邦子)

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  • 石破と一之輔さんなら心配ないな。髪の毛無いから。
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