限定公開( 10 )
ゲーム配信プラットフォームの「Steam」や「itch.io(イッチ・ドット・アイオー)」からアダルトゲームが大量に削除された件で、クレジットカード会社などに公開書簡を送っていたオーストラリアの女性権利団体、Collective Shoutが7月28日(現地時間)に経緯を説明する文書を公開した。「私達のキャンペーンに関する虚偽の主張や誤報があるので事実関係を明確にする」としている。
文書によると、同団体は今年3月ごろからSteamに対し、強姦や近親相姦を扱うゲーム「No Mercy」の削除を求めてきたという。4月9日には7万筆の署名も提出したが「無視された」。なお、No Mercyはその後、開発者自らゲームをSteamから削除している。
5月26日には、「SteamにはNo Mercy以外にも約500の“レイプ/近親相姦ゲーム”がある」として、決済業者に対するメールキャンペーンを始めた。7月11日には、VisaやJCBなどのクレジットカード会社8社への公開書簡を送付(プレスリリースは14日付)、その5日後にあたる7月16日にSteamは新ポリシーを公表し、ゲームの削除を始めた。
こうした運動を展開した理由について、Collective Shoutのコラリー・アリソンさんは「私たちは何カ月も前からSteam上のレイプや近親相姦を描いたゲームに異議を唱えてきましたが、Steamはずっと無視していました。返答がなかったため、決済代行業者にも働きかけました」と説明している。
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●itch.ioは過剰反応した?
一方、7月24日にはインディーゲーム配信プラットフォームのitch.ioが「決済業者との関係を保つため」として全てのNSFWコンテンツ約2万件を一時削除した。NSFWとは「Not Safe For Work」の略で、職場での閲覧に適さない、性的、暴力的など不適切な内容を含むコンテンツを指すネットスラングだ。
ただし、アリソンさんは「私たちの異議は、女性に対する性的な暴力と拷問を扱ったコンテンツに対してでした」として、itch.ioは過剰反応したという見方を示した。この件があってから、同団体には「なぜ、決済業者を関与させたのか」と問う声や、「Itch.ioがNSFWコンテンツを全て削除したのはCollective Shoutのせいだ」といった声が寄せられているという。
さらにCollective Shoutの創設者であるメリンダ・タンカード・レイストさんは、彼女と同僚たちがX上で「大量の」脅迫を受け、また扇動を目的とする個人情報の暴露にも遭ったとしている。itch.ioが2万件のゲームを削除した(=彼女の要請を大幅に超える措置をした)ことが、「(脅迫などの)虐待を激化させた」としている。
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Steamのクレカ表現規制、圧力をかけた団体が経緯説明 「無視されたので決済業者に」(写真:ITmedia NEWS)36
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