出生前PFAS曝露は免疫システムに悪影響を及ぼす

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2025年07月30日 02:00  妊活・卵活ニュース

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PFASによる影響
7月23日、ロチェスター大学(アメリカ)の研究チームは、プレスリリースにて、有機フッ素化合物(PFAS)曝露により、子供の免疫システムは永続的な影響を受けると示した。

今回、化学物質PFAS(ピーファス)は母親の胎盤を介して胎児へ、母親の母乳を介して乳幼児へ伝播すると報告された。PFAS曝露は子供の免疫システムの発達を変化させ、免疫力(体を病気から守る機能)に対して永続的な影響を与えるという。

なお、研究論文は「Environmental Health Perspectives」に掲載されている。

PFAS曝露と子供の免疫システム
PFASは「フォーエバー・ケミカル(永遠に残る化学物質)」とも呼ばれ、自然界で分解されにくい性質をもち、環境や人体に長期残留する。

地域在住の母子200組を対象に妊娠中の母親の血中PFAS濃度、子供(出生時、生後6ヶ月、生後12ヶ月)のT細胞集団を測定したところ、PFASが子供の免疫システムに悪影響を及ぼすことが認められた。

妊娠中の母親のPFAS曝露量が多く、血中PFAS濃度が高いほど子供のT細胞集団のバランスは崩れたという。

B細胞(免疫細胞の一種)の成熟や活性化を促す「濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞」は著しく減少し、免疫細胞「Th2細胞」「Th1細胞」、過剰な免疫応答を抑制する「制御性T細胞(Treg細胞)」は不釣り合いに増加した。

これらの細胞は、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー疾患、免疫応答の抑制に関連している。免疫システムの発達段階において細胞間のバランスが崩れると、より重篤な症状を伴う再発性感染症のリスクが高まり、その症状は長期間続く可能性があるという。

(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY OF ROCHESTER MEDICAL CENTER

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