公園の看板「花火はしないでください」…マンション住みは、どこでできるのか? 公園や河川敷のルールを徹底調査

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2025年08月14日 12:00  まいどなニュース

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まいどなニュース

(Nii Koo Nyan/stock.adobe.com)

 岡山県内で今年初めて気温が40度を超えるなど、異常な暑さが続いている。エアコンで室温を下げても、どことなく暑い気がする。こうなれば日本伝統の方法で涼をとろう。夜風に当たりながら花火をして、気分だけでも涼しく、と思ったが私はマンション暮らしだ。どこですればいいのだろう…。SNSでも同じような悩みを吐露する投稿がちらほら。誰にも迷惑をかけず、楽しく遊ぶにはどうすればいいか。自治体の条例や公園、河川敷の利用ルールを探ってみた。

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 ■ 消防局に聞いてみた

  手持ち花火など家庭用の花火は「おもちゃ花火」と言われ、火薬類取締法や自治体の条例では「がん具用煙火」とも。まず岡山市消防局予防課で危険物保安担当の松田理芳さんに聞いた。家庭用の花火がどこでできるかは岡山市火災予防条例27条に「火災予防上支障のある場所で消費してはならない」とある。具体的には、引火性があったり爆発性の物品がある場所から20メートル以内は条例違反となる。建物と建物の間が狭い場所や家屋の密集した場所など、火災の恐れが高い場所も注意してほしいと松田さん。

  消防局としては、花火をする場所について許可や認可する立場ではないとのことだが、松田さんは「とにかく火事を起こさぬよう以下の点に注意してほしい」と話す。

 ・周りに燃えやすいものはないか

・風は強くないか

・消火の準備はできているか

・花火の使用方法はそれで合っているか

・その場所は火気を使用しても大丈夫か

  花火をする際の注意点はしっかりと胸に刻んだ。では、引き続き場所探しをしようと岡山市内を巡っていると、公園の入り口に「園内で花火は、しないでください」の看板が掲げられていた。岡山市の公園は禁止なのか、と残念な気持ちでしばらく歩いていると別の公園にたどり着いた。ここには「園内で花火は…」の看板がない。ということは、花火をしてもよいのか…。岡山市の公園を管理する庭園都市推進課を訪ねた。

■ 公園の担当者に聞いてみた

  対応してくれたのは公園緑地担当の宮内和志さん。岡山市公園条例で、明確に花火禁止とは書いていないとのこと。ただし、公園を壊したり汚したりすることや、他の利用者へ危険を及ぼす恐れがある行為は禁止されており、そのため「岡山市の公園で花火をしてもよいか」と問われれば「遠慮していただきたい」と答えている。「園内で花火は…」の看板のあるなしは、例えば過去に花火でトラブルがあった場合に地元住民らの要望で掲示するケースがあるのだとか。

  宮内さんによると「自治体によって公園での花火は条例の運用や解釈が異なるため、それぞれ確認を」ということだ。県内では、海沿いのいくつかの自治体に花火に関する条例があり、2000年6月1日に施行した倉敷市の市夜間花火規制条例では、市内全ての公共の場所で夜間(午後10時〜日の出)の花火を禁止している。沙美西浜海水浴場、酒津公園、沙美東浜海水浴場の3カ所の禁止区域では、中止命令に違反した場合に罰金の規定もある。ちなみに倉敷市も公園での花火は「遠慮していただきたい」とのことだ。

 ■ 河川敷はどうか

  河川敷はどうか。国土交通省岡山河川事務所のホームページには、よくある質問として「河川敷で子供とバーベキューや花火をしたいのですが制限や禁止されている場所はあるのでしょうか?」を掲載。回答は「河川敷のバーベキューや花火については、一般的には制限や禁止などはありませんが、下記の点に注意をしていただきたいと思います」としており、次の事項を示す。

 ・地面等に直接に火があたらないようにすること(焼け跡が残り、植生などに悪影響)

・炭、ゴミ等は持ち帰っていただくこと

・煙や灰、騒音などにより付近の住家や他の利用者に迷惑とならないようにすること(夜間の花火打ち上げは付近の方への騒音となるためご遠慮ください)

・公園など、条例で火気の使用が禁止されている場所での利用をしないこと(河川敷によっては市町村の管理する公園となっている場所があります。案内看板等をご確認ください)

  最後の項の「河川敷によっては市町村の管理する公園と…」は、岡山市庭園都市推進課の宮内さんによると、国が管理する河川敷の一部を所在地の自治体が公園としていることがあり、その場合は自治体の条例が適用される。

  家庭用の花火で遊ぶには、さまざまなルールがあることが分かった。可能な場所かどうかは、土地の所有者や管理者に確認することが大切だ。

 最近は「煙の少ない花火」や入れ物を含めプラスチック素材を使っていない環境に配慮したものなど、現代の事情に合わせた花火が売られている。煙が少なければ近所迷惑にもなりにくいだろう。ひとまず購入してみた。さて、どこで花火をしようか。「ここなら大丈夫」と思っても、念のため自治体のホームページなどで確認を。禁止されていない場所でも付近の状況や時間帯に配慮し、ルールとマナーを守って夏の一夜を楽しみたい。

(まいどなニュース/山陽新聞)

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