
サバ白の「セン」ちゃんと、白と黒の被毛をもつ「テン」ちゃんは、血のつながった元保護猫の兄弟です。ふたりが生まれたのは2018年4月19日ごろ。生後1カ月のとき、Xユーザー・M家猫沢山さん(@Mke_nekodaku)のもとへやってきました。
「センとテンは、知人宅の軒下で生まれました。猫風邪をひいて、涙目になり、くしゃみをしていて衰弱していたんです。このままでは命の危険がある状態でした。知人宅には高齢の先住猫がいたため受け入れることができない状態だったんです。そこで、私がふたりの治療、そしてお世話を引き受けることしました」
センちゃんとテンちゃんは、飼い主さんのもとで猫風邪の治療を始めました。体調も悪く、自分の身の上に何が起こっているかもわからないふたりは、とても怯えて片時も離れなかったといいます。
「猫風邪の症状は思ったより重く、完治するまでに1カ月ほどかかりました。当初は、元気になったら里親さんを探そうと思っていましたが、お世話をするうちに情が湧いてしまいーー『我が家で家族として迎え入れよう』と決めたんです」
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先住猫が母猫かわりにーー兄弟寄り添い苦難乗り越え
臆病さを抱えたままやってきたセンちゃんとテンちゃん。最初は母猫を求めて必死に鳴く姿が印象的でした。
「ケージにいたテンが、通りかかった先住猫のユズルを見て『ニャー』と鳴いたんです。母猫に見えたのでしょう。それからもユズルを見るたびに鳴き、猫風邪が治るとすぐに甘えるようになりました」
不安でいっぱいだった子猫たちにとって、ユズルちゃんは安心できる存在になりました。ケージから出て遊べるようになると、ふたりは好奇心いっぱいに走り回り、新しいおもちゃを独占しては無邪気な日々を過ごしました。
「臆病さは残っていましたが、仲良く寄り添う姿は微笑ましかったです。年を重ねて力関係も変わり、今では上位にいるくらい威張っていますが、ユズルに甘える姿だけはずっと変わりません」
個性あふれるふたりーー変わらない愛くるしさ
2025年、センちゃんとテンちゃんは7歳になりました。幼いころの臆病さを抱えつつも、それぞれの個性が際立つようになったといいます。
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「センは神経質で、爪切りを一番怖がる子でした。私に馴れるまで一番時間がかかりましたが、今では膝にも乗ってくれるようになりました。テンは身体が大きくなり、一番威張っていますが、腰をトントンされるのが大好き。ユズルだけには子猫のように甘える末っ子キャラのままです」
そんなふたりは、今でもやんちゃで甘えん坊。ときに他の猫を押しのけてでも撫でてもらおうとする姿に、思わず笑ってしまうこともあります。
「おやつを奪ったり、叱られて逃げる姿も可愛らしいんです。どうかこのまま、わがままで末っ子らしいセンとテンでいてほしいと思います。医者いらずの健康体でいてくれるのは何よりの親孝行ですね」
「いつまでも元気で」幸せをくれた兄弟猫
センちゃんとテンちゃんは、家の中でのんびりとくつろぎ、穏やかな日々を過ごしています。臆病さやわがままも含めて、家族にとってはかけがえのない愛おしさ。その存在は、日々の暮らしに笑顔とぬくもりを運んでくれます。
そんなセンちゃんとテンちゃんに、今、飼い主さんが伝えたい言葉とはーー
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「センとテンが元気でいてくれるから、私も幸せです。これからもずっと、健康で長生きしてほしいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)