記者会見で頭を下げる経済同友会の新浪剛史代表幹事=3日午後、東京都千代田区 経済同友会の新浪剛史代表幹事は3日、東京都内で記者会見した。自身が購入したサプリメントを巡って警察の捜査を受け、サントリーホールディングス(HD)会長を1日に辞任した新浪氏は、「法を犯しておらず潔白である」と強調する一方、「社会を騒がせて申し訳ない。深く反省している」と謝罪した。
代表幹事としての進退は「同友会に判断を委ねる」と述べるとともに、当面は活動を自粛し、岩井睦雄副代表幹事(日本たばこ産業会長)を代理とする考えを示した。同友会は新浪氏の処遇を巡る一連の手続きについて「捜査の状況も踏まえつつ、月内をめどに進める」(岩井氏)方針だ。
新浪氏によると、4月に米国で合法の「カンナビジオール(CBD)」が含まれたサプリを購入し日本への輸送を知人に依頼したが、結果的に手元には届かなかった。先月、この知人が福岡県在住の弟を経由して新浪氏に再びサプリを送るよう手配したところ、弟が逮捕されたという。
新浪氏は知人に関し「健康のアドバイスをしてくれる方」と言及した上で、2回目に送られたサプリについて「所持も使用もしておらず、輸入も指示していない。(自身が購入したものと)同一であるかも分からない」と述べた。
新浪氏は、大麻の有害成分「テトラヒドロカンナビノール(THC)」が含まれたサプリを米国から輸入した疑いで福岡県警の家宅捜索を受けたが、自宅から違法薬物は見つからず、簡易の尿検査では陰性だった。
ただ、サントリーHD経営陣から「要職に堪えない」と辞任を促されて受け入れた。新浪氏は理由について「サントリーに傷が付かないようにするため」と説明した。
新浪氏は政府の経済財政諮問会議の民間議員も務める。活動を継続するかに関する問いには「政府がお決めになること」と述べるにとどめた。

記者会見する経済同友会の新浪剛史代表幹事=3日午後、東京都千代田区