出版大手「KADOKAWA」元会長の角川歴彦被告=2024年6月、東京都千代田区 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(81)=受託収賄罪で公判中=側に賄賂を渡したとして、贈賄罪に問われた出版大手「KADOKAWA」元会長の角川歴彦被告(82)の公判が3日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であった。弁護側の最終弁論が行われ、角川被告は最終意見陳述で改めて無罪を主張した。審理は終結し、判決は来年1月22日に指定された。
検察側は角川被告に懲役3年を求刑している。
弁護側は最終弁論で、角川被告の故意や共謀を裏付ける証拠は一切存在しないとした上で、「誤った見立てに沿って、執拗(しつよう)な取り調べで作り上げた断片的な供述を基に強引に起訴した」と捜査を批判。「無罪以外にあり得ない」と主張した。
角川被告は最終意見陳述で「検察の主張する起訴事実は全く身に覚えがない」と説明。「私は無罪です。これは冤罪(えんざい)です」と訴えた。