TVアニメ『呪術廻戦』の第3期にあたる「死滅回游 前編」が、2026年1月より放送されることが決定。それに先立ち、『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』が2025年11月7日から公開されることも明らかとなった。
そこで本稿ではTVアニメ2期で描かれた「渋谷事変」の内容を振り返り、「死滅回游」へとつながる重要な要素をおさらいしていきたい。
大まかに説明すると、「渋谷事変」は2018年10月31日、ハロウィンの日に繰り広げられた呪術師と呪霊、呪詛師との総力戦だ。まずは渋谷に突如「帳」が出現し、大勢の一般人が閉じ込められることに。そこで呪術界上層部の判断により、五条悟が単独で事態の解決にあたることになった。
しかし特級呪物「獄門疆」(ごくもんきょう)の罠によって五条は封印されてしまい、残された呪術師たちは五条救出のために動き出す。さらに“天与の暴君”伏黒甚爾の降霊に最強の式神・魔虚羅の召喚、両面宿儺による一般人の大量殺戮といった不測の事態が次々と巻き起こるなか、虎杖悠仁は宿敵・真人との決着を付けるのだった。
最終的な状況は、夏油傑を名乗る謎の人物の一人勝ちと言っていいだろう。「獄門疆」に封印された五条が持ち去られる一方、大量の呪霊が解き放たれて都内全域が壊滅させられた。さらには乙骨憂太が呪術総監部に対して「虎杖悠仁は僕が殺します」と宣言する……といった展開で幕を下ろしている。
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ティザーPVには乙骨が虎杖と戦闘している描写があるほか、「渋谷事変」のラストに登場した特級術師・九十九由基の姿も描かれている。
それでは、各キャラクターの状況についてはどうだろうか。まず主人公・虎杖は、「渋谷事変」でもっとも悲惨な目にあった人物の1人だ。気を失っているあいだに宿儺に肉体の主導権を乗っ取られ、大虐殺が巻き起こされた上、真人によって目の前で大切な人の命を奪われたことで、一時は戦意喪失に陥ってしまう。
「人を助けたい」という動機で戦ってきた虎杖にとって、「自分のせいで大勢の人が死んだ」という事実はそれだけ大きな絶望をもたらすものだったのだろう。
そこから東堂葵の激励を受けて復活するものの、虎杖の意識はそれまでとは大きく変わっていた。すなわち戦うことに意味も理由も見出さず、「歯車の一つ」として作業的に呪いを殺し続けるという境地に至ったのだ。虎杖の心はもはや崩壊寸前のようにも見えるが、第3期の「死滅回游」では一体どうなってしまうのだろうか。
「渋谷事変」では虎杖だけでなく、ほかのキャラクターにも大きな変化が生じていた。たとえば脹相は当初、弟である壊相と血塗の復讐をするために戦場にやってきたが、虎杖と戦闘している最中に「存在しない記憶」があふれだす。そして最終的には“お兄ちゃん”という自覚に目覚め、身体を張って虎杖を守ろうとするのだった。
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ティザーPVには「俺の弟に手を出して生きて帰れると思っているのか」というセリフも登場しているので、脹相の活躍にはますます期待が高まるところだ。
また、禪院真希が成長の兆しを見せていたことも印象的。真希は七海建人、禪院直毘人と共に特級呪霊・陀艮との戦いを繰り広げるが、陀艮の領域内に突如として甚爾が乱入。その圧倒的な戦いぶりに、真希は衝撃を受けるのだった。
甚爾の強さの理由は、天与呪縛「フィジカルギフテッド」という体質にあり、生まれつき一切の呪力をもたない代わりに圧倒的な身体能力を誇る。真希も呪力をほとんどもっていない体質なので、その極致とも言うべき存在を目の当たりにしたことで、大きな影響を受けることになるはずだ。
パワーインフレが進み、一級以上の呪術師や呪霊が次々登場してくるなか、真希がいかにして“高み”へと至るのか注目したい。
さまざまなキャラクターに大きな転機をもたらした「渋谷事変」。第3期で描かれる「死滅回游」では、どんな激闘が繰り広げられることになるのか……。先行上映とTVアニメの放映を楽しみに待とう。
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©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
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