インタビューに答えるイトーヨーカ堂の山本哲也社長=3日、東京都葛飾区 イトーヨーカ堂の山本哲也社長は3日、インタビューに応じた。持ち株会社のヨーク・ホールディングス(HD)が1日付で米投資ファンドのベインキャピタル傘下に入ったことを機に、食品事業の強化や人材投資の積極化に取り組む考えを示し、「もう一回(顧客が)ヨーカ堂に戻ってきていただけると思う」と強調した。
ヨーカ堂はセブン&アイ・ホールディングス祖業のスーパーとして長年グループの中核企業だったが、近年は5期連続で最終赤字を計上。不採算店の閉鎖や人員削減を余儀なくされ、コンビニに注力するセブンの連結対象から外れた。
山本氏は不振の要因として、価格設定などがニーズに合わず、「客にそっぽを向くような仕事をしていた」と振り返った。「店舗閉鎖などで技術を持った人が流出した」とも述べ、今後専門人材の採用を積極化するとともに、既存の社員の教育、育成に力を入れる方針を示した。
ヨークHDは2028年度の新規株式公開を目指し、来年2月までに中期経営計画を策定する方針。3日インタビューに応じた石橋誠一郎社長は、ヨーカ堂や雑貨店のロフト、ベビー用品店の赤ちゃん本舗などグループ連携を強化することで「シナジー(相乗効果)が出る」と語った。

インタビューに答えるヨーク・ホールディングスの石橋誠一郎社長=3日、東京都葛飾区