英政権、財政政策で苦慮=国債利回り急騰、市場が警告

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2025年09月08日 08:02  時事通信社

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時事通信社

リーブス英財務相=3月4日、ロンドン(EPA時事)
 【ロンドン時事】英与党労働党政権が苦境に立たされている。スターマー首相の「右腕」として知られたレイナー氏が5日、不祥事で副首相を辞任。一方、2022年に財源の裏付けを伴わない政策で市場の混乱を招き、就任からわずか1カ月半で辞任表明に追い込まれたトラス元首相の例もあり、発足1年超の政権は財政政策でも難しい対応を迫られている。

 スターマー氏はレイナー氏の辞任を受け、大規模な内閣改造に踏み切った。不安定な市場動向を考慮し、リーブス財務相の留任は早々に決定。7月の歳出削減策の撤回後に財務相交代がささやかれていただけに、財政規律重視の政策継続を示すメッセージとして、市場の安心感につながった。

 22年のトラス氏の政策に基づく市場の混乱時と同様、英国ではたびたび、財政悪化に対して債券市場が警鐘を鳴らす。今月2、3両日には、英国債30年物が売り込まれ、利回りは1998年以来27年ぶりの高水準に急騰。財政赤字や公的債務の拡大が主要国の長期金利押し上げ要因となる中、英国が直面する財政上の課題が市場で材料視されている。

 政府の歳出削減策の撤回により、少なくとも200億ポンド(約4兆円)とされる歳入不足の穴埋めを目的に、増税が不可避との見方が強まっている。労働党は選挙時の公約で、労働者を対象に、所得税と付加価値税の増税や国民保険料引き上げを行わない方針を掲げているため「選択肢は意外に少ない」(大和総研の橋本政彦シニアエコノミスト)状況。「緊縮財政」を約束するリーブス氏への市場のプレッシャーは大きいようだ。 

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  • 日本も、同じ島国英国の二の舞にならない様に外国人労働者・移民受け入れには厳格に対処しなければならない。揺り籠から墓場までの英国の医療や福祉は今は見る影もない。友人の友人は膝の手術に一年待ち
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