受験生死亡事故、男に懲役12年=危険運転罪認める―福島地裁支部
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2025年09月17日 18:31 時事通信社

福島県郡山市で1月、大学受験に来ていた大阪府の予備校生の女性=当時(19)=が、酒気帯び運転で赤信号を無視した車にはねられて死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた元会社員池田怜平被告(35)の裁判員裁判の判決が17日、福島地裁郡山支部であった。下山洋司裁判長は危険運転罪の成立を認め、懲役12年(求刑懲役16年)を言い渡した。
公判では、池田被告が信号を故意に無視したかどうかが争われた。下山裁判長は、同被告が事故を起こしたディスカウントストアの帰り道以外は状況に応じた運転ができていたことや、事故後の飲酒検知で正常に歩行できていたことなどから故意を認定。飲酒の影響で赤信号を見落としたとする弁護側の主張を、「酔いの程度がそこまで強いものだったとは考え難い」と退けた。
その上で、歯科医になる夢に向けて努力してきた予備校生に落ち度はなく、受験当日の朝に理不尽に命を絶たれた無念は察するに余りあるとして「厳しい非難に値する」と断罪した。
予備校生の遺族は弁護士を通じ、「あまりに刑が軽い。大切な娘の命が奪われたのだから到底納得できない」などとコメントを出した。
判決によると、池田被告は1月22日朝、郡山市の交差点で酒気帯び状態で車を運転し、赤信号を無視して時速約70キロで進入。横断歩道を渡っていた予備校生をはねて死亡させるなどした。
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