ステルスマーケティングの疑いがあった「味の素」などの宅配食品サービスについて記者会見する消費者庁=19日午後、東京都千代田区 冷凍宅配食品サービスを巡り、口コミを装って宣伝するステルスマーケティング(ステマ)をした疑いで、大手食品メーカー「味の素」(東京都中央区)など2社を調査していた消費者庁は19日、2社から提出された改善計画を認定したと発表した。改善計画は事業者に自主的な是正を促す景品表示法の「確約手続き」の一環で、認定されれば措置命令などは受けない。
同庁によると、ステマの疑いがあったのは、味の素やITコンサルティング会社「イングリウッド」(渋谷区)が手掛ける宅食サービス「あえて、」。無償で宅食を提供することを条件にインスタグラムでの投稿を依頼した上で、2024年5〜8月、投稿された文章や画像を販売サイトなどで掲載していたとみられる。
イングリウッドの宅食サービス「三ツ星ファーム」についても、商品などの提供を条件に投稿を依頼し、23年10月〜24年8月、自社サイトで文章などを転載するステマの疑いがあった。
両社の改善計画には再発防止策のほか、ステマが疑われる行為の内容について消費者に周知徹底することなどが盛り込まれた。
計画の認定を受け、味の素は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」、イングリウッドは「従業員の教育の徹底に努める」とコメントした。

味の素本社=東京都中央区