死亡保険の受取人の指定は誰にできる?変更時の注意点と税金の仕組み

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2025年09月23日 19:30  All About

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生命保険の契約期間中に結婚や離婚、受取人が先に亡くなるといったことがあれば、受取人を見直す必要があります。今回は、死亡保険の受取人に指定できる人の範囲や、受取人を変更すべきタイミング、受取人によって異なる税金の仕組みを整理します。※サムネイル画像:amanaimages
生命保険は「契約して終わり」ではありません。保険の契約期間中に結婚や離婚、あるいは受取人が先に亡くなるといったライフイベントがあれば、受取人を見直す必要があります。もし変更せずに放置すると、意図しない人に保険金が渡るリスクがあるため、注意が必要です。

今回は、死亡保険の受取人に指定できる人の範囲や、受取人を変更すべきタイミング、変更しなかった場合のリスク、さらに受取人によって異なる税金の仕組みについて整理します。

死亡保険金の受取人に指定できる人

保険に加入するとき、契約者は死亡保険金の受取人を指定します。一般的に受取人として認められるのは以下のような人です。

配偶者や子ども、両親、祖父母、兄弟姉妹など2親等内の血族

多くの保険会社では2親等までと定めていますが、血族がいない場合は3親等のおじ・おば・おい・めいなどを指定できる場合もあります。

複数指定も可能

加入している保険によりますが、例えば「妻に50%、子どもに50%」といったように、受取人を分けて指定できるケースもあります。

事実婚や同性のパートナー

近年は事実婚関係や同性のパートナーを受取人に指定できる保険会社も増えています。

なお、死亡保険契約には「契約者(保険料を払う人)」「被保険者(保障の対象となる人)」「受取人(保険金を受け取る人)」の三者がいることを理解しておきましょう。

家族構成が変わったときは必ず受取人変更を

ライフスタイルの変化に合わせて、受取人を変更することはとても大切です。

受取人が先に亡くなった場合

もし受取人が先に亡くなり、変更手続きをしないまま被保険者が亡くなった場合、死亡した受取人の法定相続人が保険金を受け取ります。法定相続人が複数いる場合は、それぞれ均等に分配される仕組みになっています。つまり、意図せず受け取ってほしくない人に保険金が渡ってしまう可能性があるのです。

結婚した場合

独身時代に親を受取人にしていた場合、結婚を機に配偶者に変更するケースが一般的です。将来子どもが生まれたときは、再度見直して子どもを追加することも検討するとよいでしょう。

離婚した場合

離婚をすると元配偶者との法律上の関係はなくなります。しかし、離婚後も元配偶者を保険金の受取人に指定していたままにしておくと、万一のときに元配偶者が保険金を受け取ってしまう可能性があります。離婚が決まったら速やかに変更手続きを行いましょう。

受取人によって変わる税金の仕組み

死亡保険金は「相続税」「所得税・住民税」「贈与税」のいずれかの課税対象になります。どの税金がかかるかは、契約者・被保険者・受取人の組み合わせで決まります。

相続税の課税対象になるケース

契約者=被保険者、受取人=相続人の場合
例:契約者兼被保険者=夫、受取人=妻や子ども

所得税・住民税の課税対象になるケース

契約者=受取人、被保険者が別の場合
例:契約者=夫、受取人=夫、被保険者=妻

贈与税の課税対象になるケース

契約者・被保険者・受取人が全て異なる場合
例:契約者=父、被保険者=母、受取人=子

また、死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。相続税の対象となる場合は、この枠を差し引いて課税額が計算されるため、実際の負担は軽減されます。

<参照>公益財団法人 生命保険文化センター 契約者や受取人を途中で変更した場合の税金は?

まとめ

死亡保険金の受取人は、一度決めたら終わりではありません。結婚・離婚・出産・受取人の死亡など、ライフイベントのたびに見直すことが重要です。

保険契約を定期的にチェックし、手続きが必要なときは保険会社に連絡しましょう。最適な受取人を指定しておくことが、大切な家族を守るための第一歩です。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

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