スプリンターズS2025に出走予定のヤマニンアルリフラ(今年7月撮影、ユーザー提供:つんさん) 北九州記念覇者のヤマニンアルリフラ(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)が、スプリンターズステークス(3歳上・GI・芝1200m)でGI初制覇を狙う。
ヤマニンアルリフラは父イスラボニータ、母ヤマニンパピオネ、母の父スウェプトオーヴァーボードの血統。母は芝ダート兼用の短距離馬で、JRAで4勝を挙げた。半兄のヤマニンウルスは24年のプロキオンSと今年の東海Sの勝ち馬。同じくヤマニンサンパと半姉のヤマニンアンフィルもオープンまで出世している。そして曾祖母のワンオブアクラインは88年のオークリーフSの覇者で、錦岡牧場の基礎繁殖牝馬の1頭。その曾孫のヤマニンサルバムは23年の中日新聞杯と24年の新潟大賞典を制している。
ここまで14戦4勝。24年1月のデビューから芝やダート、距離など試行錯誤しながら使われてきたが、未勝利を勝ち上がれず。それでも諦めず、格上挑戦を続けたことが大正解だった。1400m以下に専念したことで軌道に乗ると、同12月の2勝クラスで初勝利をゲット。年が明けて初戦は3着だったが、その後は2勝クラス、3勝クラス、さらには北九州記念と破竹の3連勝を果たし、一気に重賞ウイナーの仲間入りを果たした。前走のCBC賞ではまさかの12着に大敗したが、とても力負けとは思えない。今回は一気に相手が強くなるが、立ち回り一つで上位進出があっていいだろう。
土井肇オーナーの所有馬を中心となる「ヤマニン軍団」からは、多くの名馬が出ている。古くはヤマニンウエーブやヤマニンゼファー、ヤマニンパラダイスにヤマニンシュクル、近年では19年のJBCレディスクラシックを制したヤマニンアンプリメの活躍が印象的だ。ただ、JRAのGI勝ちとなると03年の阪神JFのヤマニンシュクルが最後。ここでヤマニンアルリフラが大金星をつかみ取り、名門に22年ぶりのビッグタイトルを届けることを願いたい。