

「お父さんはそんなんだから嫌われるんだよ」「少なくとも僕は今のお父さん、嫌いだわ〜」ユウとニイナに軽くあしらわれ、ヒロキは顔を真っ赤にして怒っています。けれど子どもたちの言い方は、ヒロキがいつも私にしているものと同じで……。


子どもたちが向ける冷たい視線に耐えきれなくなったのか、ヒロキは自分の部屋へこもってしまいました。自分のふるまいが家族にここまで嫌がられているという事実を目の当たりにして、さすがにショックだったかもしれません。

私をかばってくれたのはユウだけではありませんでした。ニイナまでもがヒロキに言い返してくれたのです。子どもたちの言葉は冷静で、とても理路整然としていました。おそらくは「今度同じことがあったらお父さんにこう言おう」と、あらかじめ2人で示し合わせていたに違いありません。
父親が母親をいじめているような光景は、子どもたちのことも傷つけてしまっていたのでしょう。ここまで言わせてしまった自分がつくづく情けないです……。私もヒロキの嫌味にメソメソするばかりでなく、心を強く持ってしっかりした態度を示さなければいけませんね。
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