女子レスリング金メダリストの吉田沙保里さん(43)が8日夜放送のABCテレビ「これ余談なんですけど…」(水曜午後11時10分=関西ローカル)に出演。中学生時代に、大ケガをおして試合を強行した経験について振り返った。
番組では、「霊長類最強女子」と名高い吉田さんにまつわる“伝説”を取り上げた。その中で「左手を骨折してボルトも3本入った状態で全国大会優勝」という逸話を紹介。
吉田さんは「はい、本当です。これは中学3年生の時に、練習試合で投げられて、(左手を)脱臼骨折して…」と回顧。医師から「将来オリンピックを目指すなら」と勧められて手術を受け、ボルトを入れた。
治るまでは3カ月以上かかると言われたものの、「1カ月後に全国大会があったんですよ。もう絶対出られないと思ってあきらめていたんですけど、父親に呼ばれて、ボルトが突き出ていたんですけど、それを『短く切ってもらってこい』と。『テーピングが巻ける長さに切ってもらってこい。病院の先生にお願いしてこい』って言われて。うちは父の言う事が絶対なんで…」と厳命された。
そこで医師に相談したところ、医師は「そんなむちゃなことはダメです。左手を使えなくなってもいいんですか」と拒否。吉田さんは「大丈夫です。こっちは文句を言わないんで、これをやらなければ家に帰れないんです」と懇願し、何とかボルトを短くカットしてもらったという。
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結局、テーピングで左手をガチガチに固定し、「試合に出ました。痛いですよ、だってまだボルトが入ってるんですよ。入ったまま全国大会」と強行出場。
すると、「当時ライバルだった選手がいたんですけど、その選手は盲腸だったんですよ。たまたま盲腸になっていた。で、吉田沙保里は再起不能だと周りに言われてたんで、(大会に)出てこないと(考えた)。『盲腸だけど、散らして出たら優勝できるかも』と思って、たぶん出てきたんですね」と、相手選手も盲腸をおして強行出場していた。
「当日、マットに上がったら吉田が出てくる。『えーっ』みたいな…」と相手選手に驚かれたそうで、「骨折対盲腸で、骨折が勝った」と笑いを誘っていた。
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