23日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比186.21ポイント(0.72%)高の25967.98ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が76.96ポイント(0.83%)高の9300.74ポイントと反発した。売買代金は2452億5570万香港ドル(約4兆8119億円)となっている(22日は2275億3640万香港ドル)。
投資家のリスク回避スタンスがやや薄らぐ流れ。ベッセント米財務長官と中国の何立峰・副総理が25〜26日に閣僚級の貿易協議をマレーシアで開くと伝わる中、両国の通商対立が緩和に向かうと期待された。中国の政策にも期待感。来年から始まる第15次5カ年計画(2026〜30年)について中国共産党が議論する第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)は、きょう23日に閉幕する。会議での決定内容については、閉幕から数日内に公表されるのが通例だ。米中対立の警戒感などで指数は安く推移していたが、引けにかけて買いが優勢となっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が6.6%高、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が4.5%高、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が4.4%高と上げが目立った。李寧については、デリバリー事業大手の美団(3690/HK)が4月に開始した即時配送サービス「美団閃購」を利用することを正式に発表し材料視されている(美団株は4.1%高で終了)。
セクター別では、石油・石炭が高い。中国海洋石油(883/HK)が2.2%、中国石油化工(386/HK)が1.7%、中国石油天然気(857/HK)が1.5%、中国中煤能源(1898/HK)が2.3%、中国神華能源(1088/HK)が1.1%ずつ上昇した。
中国の銀行セクターもしっかり。中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が4.6%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.9%高、中国工商銀行(1398/HK)1.7が%高、招商銀行(3968/HK)が1.0%高で引けた。
半面、半導体セクターは安い。上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.8%、華虹半導体(1347/HK)が4.6%、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が3.6%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.1%ずつ下落した。
他の個別株動向では、キャラクター商品「ラブブ」などを擁するフィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が9.4%安と急反落。前日は2025年第3四半期(7〜9月)の売上高が前年同期比で245〜250%増加したと同社が発表したことを手がかりに買われたが(2.4%高)、「今後は売上が鈍化する」との見方が浮上し、一転して売りが広がっている。
本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%高の3922.41ポイントで取引を終了した。石油・石炭が高い。金融、公益、消費関連、自動車、素材なども買われた。半面、ハイテクは安い。不動産株、医薬株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)