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<プロ野球ドラフト会議>◇23日
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が23日に都内で開催され、ソフトバンクが米スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(20=花巻東)をサプライズで1位指名し、交渉権を獲得した。DeNAとの2球団競合で城島健司CBO(チーフベースボールオフィサー、49)が残りくじで引き当てた。高校通算140本塁打の大砲は来年7月のMLBドラフトの指名対象選手。入団に向けて佐々木本人の意思も尊重し、合意すれば来季途中に加入する前代未聞のドラ1になる。
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「めざせ世界一」は05年の球団創設時からのスローガン。年に一度の大イベント、ドラフト会議でもその信念を貫いた。ソフトバンクが米スタンフォード大に所属する佐々木を1位指名。海の向こうで野球留学に励むスラッガーの名前が飛び出すと、ドラフト会場がざわついた。
DeNAが先に佐々木を指名。ソフトバンクの1位は創価大・立石が有力とみられていたが、サプライズで続いた。抽選は残りくじだったが見事に交渉権を獲得。小久保監督が25日の日本シリーズ開幕に向けてチームに専念したドラフトで、入団拒否のリスクも踏まえた決断を下した。初の大役で当たりを引いた城島CBOは「素晴らしい選手。リスクを背負っても欲しい選手」と覚悟を明かした。
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佐々木について日本野球機構(NPB)は今春、米大リーグ機構(MLB)や全米大学体育協会(NCAA)と協議し、「MLBのドラフト対象選手は前年のNPBドラフト対象にも該当する」との共通認識を確認。昨年、一部球団が佐々木の指名を検討しながら「対象外」とされた混乱を踏まえ、7月の実行委員会で12球団に通知していた。城島CBOは1位指名を決断した時期について「今日、昨日ではない」と説明。何度も米国での視察を重ね、本気の熱視線を送ってきた。「うちには王会長という世界のホームランアーチストがいる。彼には868本、会長が見ていない景色を見てほしい」。現実的には来年7月のMLBドラフト後に、佐々木本人がソフトバンク入団か否かを決める流れになる。永井編成育成本部長も「彼が大学をやめるとすぐに交渉はできると思いますが、大学で来シーズンもやりたいと聞いている。我々は待ちます」と佐々木の意向も踏まえた長期戦を覚悟した。
交渉権獲得後には、王球団会長自ら佐々木に電話を入れた。佐々木が滞在するカリフォルニア州は深夜帯だったが「すごく喜んでくれてこっちもうれしかったね。本人も『ありがとうございます』と言ってくれてね。ホークスに来ることになったら一緒に高い目標をもって頑張ろうと伝えました」と笑顔で明かした。世界の王もほれ込む高校通算140本塁打の怪物スラッガー。近日中に、城島CBOが花巻東で監督を務める父洋さんのもとにあいさつに向かい、11月にはスタンフォード大で本人にも指名あいさつをする予定。佐々木の決断に注目が集まる。【只松憲】
◆佐々木は指名可能 米スタンフォード大の佐々木はドラフトで指名対象となっていた。23年にドラフトの規約が改定され、海外の学校に在学中の選手は契約締結の期限が翌年7月末に延長された。大リーグのドラフトは来年7月に予定され、佐々木が大リーグでも指名されれば日米両方の球団と交渉できる。
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