Z世代は「食べログ」を使わないってホント? 飲食店を探す方法は

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2025年10月24日 06:11  ITmedia Mobile

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「飲食店を探す際に最もよく利用するSNSや媒体」ではInstagramが1位(出展:StorePro)

 「どこか料理のおいしいお店はないかな……?」というとき、あなたはどのサービスを使って飲食店を探すでしょうか。「食べログ」や「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」などのグルメサイトを挙げると、Z世代に驚かれてしまうかもしれません。


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 StoreProが2025年8月に行った「Z世代の飲食店選びにおけるSNSの影響力と活用実態」によると、飲食店を探す際に最もよく利用するSNSや媒体の第1位は「Instagram」(52.2%)で、続いて「TikTok」(15.3%)が多く、SNSを積極的に活用していることが分かります。「グルメサイト(食べログ・ホットペッパーグルメなど)」は、3位(9.8%)にとどまりました。


 Instagramは、「渋谷に来たら食べたい店5選」「横浜デートに使いたい店」など、インフルエンサーや公式アカウントによるフィード投稿やリールが数多く投稿されています。何となくリールを眺めていたら、気になる飲食店を見つけることもあるでしょう。


 Instagramには「地図検索」機能もあります。意外と知られていないのですが、Instagramアプリの「発見」タブを開き、右上にある地図ボタンをタップすると、地図上で飲食店や観光スポットを探すことができます。この機能は2021年6月に日本でローンチし、翌年グローバルに展開した日本発の機能です。


 この機能によって、場所から見つけた飲食店の公式アカウントのページを開き、投稿や店舗情報を確認することができるようになりました。公式アカウントが対応していれば、予約に進むこともできます。


 TikTokに関しても、グルメ情報がショート動画で紹介されています。キーワード検索すると、飲食店を紹介する動画やグルメ情報アカウントが表示されます。検索結果を見ると、TikTokのアルゴリズムによって好みのグルメ情報が表示されるようになり、より好みの飲食店と出会えるようになります。


 実際にこうした動画を見ていくと、肉の柔らかさやケーキの断面、店内の雰囲気など、写真や文章では伝わりづらい印象をほんの10秒足らずで把握できます。


 前述の調査でも、グルメサイトを使わなくなった理由として「雰囲気が伝わりづらい(18.0%)」「動画やSNSの方がリアルに感じる(16.8%)」「情報が古く感じる(16.7%)」といった理由が挙げられています。正確な情報を効率的に入手するためには、ショート動画での情報収集が最適だと考えているのでしょう。


●飲食店情報はInstagramやGoogleマップに保存する


 InstagramやTikTokで気になる店を見つけたとき、Z世代はその情報をどこに保存しておくのでしょうか。


 調査によると、Instagramの「保存」が45.6%で最も多くを占めました。「保存」は、投稿にある紙飛行機のようなデザインの共有ボタンから行います。保存した投稿は、プロフィール画面のメニューにある「保存済み」から見られます。


 また、「スクリーンショット」(30.7%)や「Googleマップのピン」(26.7%)も利用されています。


 突然Googleマップが出てきたと思う人もいるかもしれませんが、ショート動画でグルメ情報を得ても、それだけでは場所や開店時間などは分かりません。動画の概要欄やコメントに詳細が掲載されている場合もありますが、さらに詳しい情報を得るためには検索サイトでチェックします。そして、「Googleマップ」の店舗情報にたどり着くのです。


 「Googleマップのピン」とは、スポットを選択したときに表示される「リストに保存」機能を指します。「リストに保存」では、「お気に入り」「行ってみたい」などのカテゴリー別に場所を保存しておけます。


 保存には「TikTokのお気に入り」(26.6%)も使われています。でも、Googleマップを使えば、InstagramやTikTokで見つけた飲食店情報をまとめて管理できます。


 Z世代は事前に情報を念入りに収集する傾向にあるため、複数のサイトで口コミをチェックします。Googleマップの口コミだけでなく、「食べログ」などのグルメサイト、個人ブログなども確認し、店選びを入念に行います。


 いざ店舗を予約する段階では、その飲食店が使っている予約システムを利用します。電話予約、「食べログ」などのグルメサイト、予約専用サイトなどを利用します。Z世代は電話よりもネットで予約したいと考える傾向があります。


●Z世代は「食べログ離れ」しているのか


 若者が飲食店探しにSNSを使うようになったため、「若者の食べログ離れ」とからかう声も聞かれるようになりました。しかし、前述のように食べログも利用しています。グルメ情報を取得する入り口として、視覚的に分かりやすいショート動画や画像を利用しているだけなのです。


 「食べログ」の掲載レストラン数は約88万件、口コミ投稿数は約8,133万件にも達しています。月間利用者数は9,399万人(2025年8月)であり、全世代が「食べログ」を度々利用していることが分かります。


 もし、Z世代が「食べログは古い」と感じているとすれば、「食べログ文学」と呼ばれる、食べログの口コミの影響かもしれません。食べログの口コミには、「小生」で始まる、日記のような長文が投稿されていることがあります。大変味わい深い文章なのですが、タイパ主義のZ世代は首をかしげることもありそうです。


 InstagramやTikTokなどの投稿には、確実にビジュアルが良い料理や店が並びます。一緒に食事する相手とは料理を口にする前から盛り上がり、SNSに投稿しても映えること間違いなしです。また、投稿やコメント、いいねの数が多い店を選べば、味の評価が低い店にあたる確率も下がります。より精度の高い情報を得る手段として、SNSでグルメ情報を探すことは、Z世代にとってごく当たり前の行為なのでしょう。


 実は、Z世代ではない私も、InstagramやTikTokでグルメ情報を探し、Googleマップに「保存」しています。観光スポットなども同様に登録しておくと、お出かけプランも立てやすくなります。あまりショート動画を情報収集に使っていない人も、一度試してみると新たな発見がありそうです。



このニュースに関するつぶやき

  • おはようございます。確かにSNSは効率いいよね。ただ「リーズナブル」と言われてメニュー価格調べたら高い時もあるから、食べログの併用も必要です。
    • イイネ!2
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