限定公開( 5 )

沖縄固有種で国の天然記念物に指定されているリュウキュウヤマガメ計107匹などを捕獲したとして、沖縄県警は24日、種の保存法(捕獲禁止)違反の疑いで中国籍の男女4人を再逮捕した。県警は同日、うち3人がリュウキュウヤマガメを国外に輸出しようとしたとして関税法違反容疑で逮捕していたことも明らかにした。闇市場での売買が目的とみられる。リュウキュウヤマガメは沖縄県の沖縄本島北部と久米島、渡嘉敷島に生息する絶滅危惧種で、ワシントン条約でも輸出入が原則禁止されている。
再逮捕されたのは、いずれも自称で香港に住居がある、自営業の林素怡(32)▽自営業、劉昆霊(38)▽無職、陳頌侖(23)▽自営業、潘浩杰(26)――の4容疑者。容疑は、9月4日〜10月3日、沖縄県の国頭(くにがみ)村や久米島町などでリュウキュウヤマガメ計107匹やホルストガエル1匹、クメトカゲモドキ2匹を捕獲したとしている。
税関のX線検査で密輸出が判明。県警は、捕獲したリュウキュウヤマガメ70匹を「ビスケット」などと称して箱などに詰め、9月に国際スピード郵便で香港に送ろうとしたとして、林、劉、陳の3容疑者を今月3日に関税法違反容疑で逮捕(24日付で処分保留)。さらに、同県の西表島で国指定天然記念物のヤエヤマセマルハコガメ35匹を所持していたとして、潘容疑者を14日に文化財保護法違反容疑で逮捕した。
保護された個体は県内の施設で一時的に保管されているが、リュウキュウヤマガメの調査や保全をしている沖縄カメセンター(同県恩納村)の生清(なるきよ)綾・代表理事によると、密猟された個体を野生に返すのは簡単ではないという。生清さんは「密猟後にまとめて保管されていた場合、感染症が広がっているリスクがある。また、捕獲された場所や島によって遺伝子レベルで違いがあるため、ゲノム解析などで元の生息地をきちんと特定しなければならない」と指摘する。【喜屋武真之介】
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。