
学芸会の主役など、わが子が何かを目指してお友達と競う場面はままあります。誰かが受かれば、誰かが落ちる。当然のことではあるのですが、結果にモヤモヤが付随する場合も。
選ばれなかったオーディション。割り切っていたはずが
合唱コンクールのピアノ伴奏。ピアノを習っている子たちがこぞって競い合う、大きな機会です。中学2年生の娘さんがオーディションに参加したけれど、選ばれたのは同じピアノ教室に通う同級生だった。そんな投稿が、ママスタコミュニティにありました。
『練習を頑張る娘を見ていたのでもちろん悔しいけれど、相手の子のほうがよかったから選ばれたのでしょう。それは別にいいとして、問題は相手の子のママさんから来たLINEです』送られてきたのは、こんな文面でした。
「◯◯ちゃんのほうがピアノ歴が長いのに、うちが選ばれてなんだか申し訳ないです。ごめんね。まさかうちが選ばれるとは思わなかったよ。私は◯◯ちゃんのほうがいいと思うんだけど、先生は何がよくてうちを選んだんだろうね。よくわからないね」。
『このメッセージを煽られていると考える私って、ひねくれている?』
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『その文面、「選ばれたのはワ・タ・シの娘!」と読めました。娘さん、相手を祝福できて大人だね』
『相手は「すごいでしょ!」とマウントを取りたいのでは』気持ちを受け止めてくれるコメントが集まりました。投稿者さんは迷った末、そのメッセージに「がんば!」のスタンプを返したといいます。
「なんでうちが選ばれたんだろうね」って、どういう意味?
メッセージの受け取り方にもよりますが、少なくとももらってうれしい内容ではありません。とくに多くの方が引っかかったのが、「◯◯ちゃんのほうがいいと思うんだけど、先生は何がよくてうちを選んだんだろう」という言葉。
『選ばれなかったほうに対して言う言葉ではないよね。「それなら辞退すれば?」って思う。嫌味に感じても不思議はない』本当に投稿者の娘さんのほうがよかったなら、先生の選択は違ったはず。「先生に対しても失礼」という意見もありました。さらに「ピアノ歴が長いのに」のひと言も、余計でしかないように感じます。
『「そちらのほうがよかった」なんて本当に思っていても、受かった側が落ちた側には言わない言葉。相手が落ち込んでいるこのは容易に想像できるし、その状況で言うなんて無神経すぎる』
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相手に悪気はないのでは?フォローを入れたつもりかも
『投稿者さんが不快になるのはすごくわかる。でも、相手の気持ちも少しは想像できる。今後の親同士のつきあいを考えて、気まずくならないようにフォローしたつもり? 大きく外しているけど』相手のママの気持ちはわからなくもない。そんなコメントもいくつかありました。
『純粋にそう思っているのでは。「そちらの娘さんはこんなに素晴らしいのに! さぞ残念だっただろうけど、私は応援しているよ!」って。でもそれを伝えると嫌味に思われそうなので、ダラダラ長いメッセージになってしまったとか』こちらのコメントをくれた方は、かつて同じような言動を取っていた心当たりがあるそう。「過去に送った余計な言葉を思い出して、後悔することが何度もある。本当に申し訳ない」といいます。
『相手の親御さん、なんと言うか……下手だよね。多分すごく気まずく感じちゃって、なんとか言わなきゃと思ったんだろうけど』「余計な気を遣って、不器用なママなんだろうな」「悪気なくそういう嫌味を言っちゃう人」といった想像もありました。
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娘さんの歌声を楽しみに、気持ちを切り替えよう
『気まずい状況。相手はどんな態度を取ればよかったのかな?』難しいところですが、そもそもこの状況でメッセージは不要だったのではないでしょうか。選ばれた喜びを全開にするのは論外ですし、気を遣われるのも嫌でしょう。仮にどこかで顔を合わせたのだとしたら、「そちらの娘ちゃんがいてくれたから、うちも練習を頑張れた。今後もよきライバルとして、よろしくね」と、さっぱりした態度を取るのが賢明だったように思えます。
『これからもスルーでいいと思う。相手に直接言われたら、「どちらも頑張っての結果だから、そんなことで謝られたら逆に傷つく」と言えばいいよ』いくら相手に悪気はなくても、投稿者さんが不快になったのは事実です。数年後に反省したというコメントをくれた方もいましたが、今回の相手は現状それに気づいていないのでしょうから”教えてあげる”のも一案。ただし、それは相手とそれなりの関係性があっての話です。同じピアノ教室なら今後も顔を合わせる機会は多そうですが、それ以上の接点がないのなら挨拶だけの関係にとどめておくのが無難では?
悔しさをこらえて相手を祝福できた、娘さんの成長に気づけたのは大きな収穫でしたね。オーディションを経るピアノ伴奏は注目を集めますが、コンクールの真の主役は合唱です。お友達と気持ちを合わせて歌う娘さんの姿を見るのを楽しみに、サラッと気持ちを切り替えましょう!
文・鈴木麻子 編集・佐藤さとな イラスト・Ponko

