東京高裁が入る裁判所合同庁舎=東京都千代田区 浜松市の自宅で2022年、祖父母ら3人を殺害したとして殺人罪に問われた無職山田悠太郎被告(26)の控訴審判決が30日、東京高裁であった。細田啓介裁判長は、懲役30年とした一審静岡地裁浜松支部の裁判員裁判判決を支持し、被告側控訴を棄却した。
弁護側は一審に続き、解離性同一性障害の影響により「別人格の犯行だった」などと主張したが、細田裁判長は「人格の交代があったとしても、一連の人格状態をひとまとまりに考察した上で責任能力を検討すべきだ」と指摘。その上で「完全責任能力を認めた一審判決の判断は揺らがない」と結論付けた。
一、二審判決によると、山田被告は22年3月8日夜、自宅で祖父=当時(79)=と祖母=同(76)、兄=同(26)=を結束バンドで縛った上、頭部をハンマーで多数回殴るなどして殺害した。