
(左から)パーソナリティの小山薫堂、荒井誠さん、宇賀なつみ
◆目指すは宇宙体験のプロデュース
一般社団法人 宙ツーリズム推進協議会は、「空(SKY)」「宇宙(SPACE)」「スペース(UNIVERSE)」といった“宙”に関わる全国の施設や団体、旅行会社などが参加する、官民学連携の非営利団体です。
協議会に所属する荒井さんは、広告会社・電通でマーケティングやプロモーションに携わりながら、「宇宙を日常に近づける」ことを目指し、宇宙ラボの立ち上げにも関わってきました。スタンフォード大学で学び、「宇宙マーケティング」という新たな概念を提唱。宇宙をビジネスや文化にどう接続するかをテーマに活動し、民間宇宙旅行時代に向けた産学官(民間企業(産)、大学など(学)、政府・地方自治体(官))のネットワークづくりを推進しています。
荒井さんは、自身が宇宙に行きたいという思いよりも、「宇宙をどう楽しめる場所にするか」という発想で活動しているといいます。「いずれは“月でオリンピック”のようなイベントをやってみたいです。『青い地球を見たい』『無重力を体験したい』だけでは、何度も行きたいと思う人は少ないような気がします。宇宙体験そのものをプロデュースするのが夢です」と思いを語りました。
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現在、宇宙旅行はすでに「お金を払えば行ける」時代に突入しています。荒井さんによると、2021年には職業宇宙飛行士よりも、民間で宇宙へ行った人の数のほうが多くなったといいます。「滞在が長くなったこともあるのですが、今は100人近い方が民間で宇宙に行っています」と説明します。
荒井さんがもっとも身近な宇宙旅行として紹介したのは「サブオービタル飛行」。軌道までは行かずに大気圏を抜け、数分間の無重力を体験して帰還するスタイルで、所要時間はおよそ1時間です。かつては2,000〜3,000万円ほどで販売されていましたが、現在は7,000万円にまで上昇し、応募が殺到しています。
さらに、本格的な「軌道宇宙旅行」では、4人ほどが宇宙船に乗り、地球を周回して帰還する4泊5日の旅も始まっています。こちらは何十億円ともいわれる高額な体験です。そして、前澤友作さんの挑戦で知られる「ISS滞在型宇宙旅行」は、100億円規模に及ぶといわれています。
◆宇宙を経由した高速移動がもうすぐ実現?
宇宙旅行の先にあるのが、月周回や月着陸を目的とした「月旅行」です。まだ計画段階ですが、現実味を帯びつつあります。「あとは“なんちゃって宇宙旅行”や“ほぼ宇宙”と呼ばれているものもあります。100キロ上空が宇宙と言われているのですが、こちらは気球で30キロ上空まで上昇するものです」と荒井さん。宇宙に近い風景を楽しむもので、価格は2,000万円ほど。アメリカをはじめ、北海道の企業もこの事業に取り組んでいます。
さまざまな宇宙体験があるなかで、荒井さんが特に注目しているのが「ポイント トゥ ポイント」と呼ばれる次世代輸送です。これは、宇宙空間を経由して、東京からニューヨークまでをわずか37分で移動するという構想になります。「宇宙空間に出ている時間が約20分ほどあり、そのあいだは無重力も楽しめます」と紹介します。
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また、番組のテーマ「手紙」にちなみ、荒井さんは思い出深いエピソードを披露。かつて海外滞在中、毎週のように母親へエアメールを送っていたという荒井さん。「帰国してから母に『連絡がなかった日本にいるときよりも、遠くいたときのほうが近く感じた』と言われましたね」と振り返りました。
今回の放送では、荒井さんが「SUNDAY’S POSTをお聞きの地球のみなさんへ」というタイトルで、特別な手紙を読み上げました。
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/post/
番組公式X:@sundayspost1
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