限定公開( 5 )

「みんなの75点より誰かの120点」をコンセプトに、「おかずがフライドチキンの皮だけの弁当」や「具材がきくらげだけの中華丼」など攻めたメニューを展開する「ドン・キホーテ」の弁当・総菜のブランド「偏愛めし」。誕生から2年、強いインパクトの商品を生み出し続ける商品開発部に取材しました。
食への偏愛を具現化した「偏愛めし」が登場したのは2023年11月。あんだくすぎる天津飯や味付けもトッピングもわさびのポテトサラダなど強烈なラインアップでデビューしました。以来、マヨネーズが白米までも覆う「白すぎるテリヤキチキン弁当」、アメリカンドッグのカリカリした部分だけを集めた「アメリカンドッグのココだけ弁当」など、エッジがきいたメニューを追求し続けてきました。
次々と新商品がリリースされ、SNSでは「コンセプトぶっ飛び過ぎ」「企業とは思えない狂気」「自分のツボをついてくる」「意外とおいしかった」など、たびたび話題となっている「偏愛めし」。どんな経緯で生まれたのか、2周年を迎えてこれから何を目指すのか、商品開発部にたずねました。
「偏愛めし」誕生以前にも、お総菜を販売していた「ドン・キホーテ」ですが、あえて「偏愛めし」を作ることになったのには、こんな背景がありました。
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「そもそもドンキでお総菜を販売していることを知らない人が多く、今後どうやって売り上げを上げていくかを試行錯誤していました。ドンキらしさを追求していく中で、“小さい池の中で大きな魚を釣る”のが得意な企業なので、総菜部門だったら何ができるのかを考えた結果『偏愛めし』が誕生しました」(ドン・キホーテ)
「万人受け」ではなく、ニッチな需要に注目した商品。「とがった『偏愛めし』をきっかけに、ドンキでもお総菜を販売していることを多くのお客さまに知っていただきたい」(ドン・キホーテ)との思いがあったといいます。
売り上げを上げるために「とがった商品」を発売するのはチャレンジングなことにも思えます。しかし、企画を提案したときの社内からの反応は「ドンキらしくてイイね!」と前向きなものだったそうです。
「総菜の認知向上と、強みである『小さな池で大きな魚を狙う』という戦略を実現するために、ドン・キホーテらしさを徹底的に出して、尖りを商品に持たせ、『好きな人にとことん突き刺さる商品、ブランドにする』という方向性で賛同を得ることができました」(ドン・キホーテ)。そういった企画が実現することにも、「ドン・キホーテ」らしさがうかがえます。
話題のブランドとなった「偏愛めし」ですが、商品開発で大事にしているのは、やはり“あのこと”でした。
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「コンセプトになっている、『みんなの75点より誰かの120点』は常にこだわっています」(ドン・キホーテ)
そうして開発された商品の中でも、「やはり賛否両論が多かった『アメリカンドッグのココだけ』や『フライドチキンの皮だけ弁当』には特に思い入れがあります」とのこと。
アメリカンドッグの根元だけを商品化したものと、フライドチキンの皮と白ご飯で構成されるお弁当とは、なかなかとがったセレクトですね。
現在販売中のラインアップは、商品開発部内のメンバーが協力して開発し、社内の承認会でさまざまな部署の社員から男女問わず意見をもらい、承認を得て販売しているとのこと。
開発者と多くの社員のこだわりとアイデアが詰まった「偏愛めし」、売り上げはなんと「毎月平均約1億円以上」とのこと。
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購入した人からのリアクションも届いており、「これでもかという商品が刺さったという反応が多く、発売する我々もですが、皆さん楽しみにしてくれていると思っています」(ドン・キホーテ)と、手ごたえを感じているそうです。
SNS上での反響には「毎月、新商品を出すたびにXなどでの賛否をいただくのが楽しみです。投稿数は毎回多くなり、確認をするのが大変ですが、賛否共にポジティブにとらえています」(ドン・キホーテ)と、刺激になっているとのことでした。
「ドン・キホーテ」では、「偏愛めし」発売2周年の感謝を伝える企画を開催中。第一弾「偏愛めし頂上決戦×これが私たちのベストめし」では、最も愛する商品の人気投票を実施し、結果を公開しています。
「おにぎり どんぶり部門」では第1位「はみだしすぎィなチキン南蛮」、第2位「ダシを活かすための親子丼」、第3位は「きくらげ中華丼」、「サンドイッチ・おつまみ部門」では第1位「アメリカンドッグのここだけ」、第2位「コンポタ染みっ染みサンド」、第3位「紅ポテ」、お弁当部門の第1位が「白すぎるテリヤキチキン弁当」、第2位「ころもが主役のチキンカツ弁当」、第3位「フライドチキンの皮だけ弁当」でした。
SNSの人気投票とは別に、特に売り上げが多かった商品についてたずねてみました。1位は「はみだしすぎィな 鶏つくねおにぎり」、2位は「ころもが主役のチキンカツ弁当」、3位は「あんだく溺れ天津飯」、4位は「ジューシィ焼鳥ゴロっと丼」、5位は「ダシを活かすための親子丼」という結果で、人気投票と重なる商品も多く見られます。
2周年企画第2弾の「モンスターたちの復刻偏愛めし増量祭」は現在開催中で、一部の商品で価格はそのままに、2倍に増量したメニューを期間限定で販売しています(11月30日まで。増量メニューは期間によって異なる)。大きさや量などを2倍に増量することで、さらにエッジが効いた商品となっているようです。
最後に、これからの商品展開について聞くと、次のように語ってくれました。
「偏愛めしのファンの皆様の期待を裏切らない商品を出していきます。まだまだネタは尽きていないので、『ドンキまたやったな……』とか『さすがドンキ』と言わせる商品を今後も出していきます」(ドン・キホーテ)
また、近年の日本の社会状況をとらえた新たな構想もあるそうです。
「そろそろ海外のメニューにも手を付け、インバウンドのお客様の偏愛者を探そうと思っています。偏愛めしのお客様の認知も深まり、最近ではこういう偏愛めしを出してほしいという要望を頂くことも多くなりました。今後はそういったお客様の偏愛も商品化していきたいですね」(ドン・キホーテ)
海外発の新メニューも登場しそうな「偏愛めし」。これからも変わらず誰かの「偏愛」を具現化した商品が期待できそうです。
画像提供:ドン・キホーテ
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