
1年前や5年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回紹介するのは、2021年に公開されたプランターでニンニクを栽培する家庭菜園の動画です。育て方のコツなどを解説した内容が分かりやすいと反響を呼び、動画は記事執筆時点で136万回以上再生され、約1万6000件の高評価を獲得しています。
投稿したのは、YouTubeチャンネル「ぽたろうの家庭菜園HACK」を運営する、ぽたろうさん。さまざまな野菜の栽培術やユニークな野菜作りの方法など、家庭菜園の魅力を発信しており、以前にはジップロックで育てて収穫した野菜が話題になりました。
今回の動画で育てているニンニクは、植え付けから収穫までに8〜9カ月くらいかかり、野菜の中でも長い栽培期間が必要です。そこでぽたろうさんは、夏野菜が終わった9月末に植えて、翌年の5月ごろに収穫することで、またすぐに夏野菜が育てられると紹介しています。
また、ニンニクは栽培期間に、“ある4つの作業・ポイント”に気をつけるだけで簡単に大きなサイズが採れるとして、初心者におすすめしています。
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まずは土作りから。ぽたろうさんはその年に夏野菜を育てた長方形のプランターと土を使っており、根っこを抜いて土をふるいにかけたら、苦土石灰を足してpHを整えます(※ニンニクの最適土壌pHは5.5〜6.5前後)。さらに水はけをよくするためのパーライトや、有機肥料を加え、ふるいにかけて減った分を補うために培養土を足しました。
次に種球用のニンニクを1片ずつに分けます。「薄皮と下の硬い部分は剥がさずにそのままで大丈夫」とのこと。植える際は10センチ間隔で、硬い部分を下にして、土に3センチ以上埋めます。
ここで1つ目のポイントとなるのが、植え付け時期です。ニンニクは気温が25度以上あると休眠状態に入ってしまい、その期間に植えても発芽せずに腐ってしまうこともあるそうです。そのため、週間天気予報をチェックし、最高気温が25度を下回るタイミングを見計らって植え付けを行いましょう。
またぽたろうさんは、100円ショップで購入した麻布をハサミでカットして土の表面を覆う“マルチ”を作成。これにより地温が下がりにくく、大きなニンニクのために重要な保水性も高まるとしています。最後に水をやり、保湿のためにブルーシートをかけたら植え付け作業が完了です。
栽培を開始したのは9月22日。それから7日目には力強い芽が出てきました。8日目にはすべてのニンニクから芽が出て、ここからは日に日に大きくなる様子が確認できます。15日目になると、本葉が4枚出ているのが確認できました。
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ぐんぐんと成長した結果、地上部が思ったよりも出ていたため、25日目には倒れないように土増しと土寄せを行っています。なお、動画では植え付け時には種球を深さ3センチくらいで植えましたが、もしかしたらもう少し深く植えたほうがよかったかもしれないと振り返っています。
そこからも成長は止まらず、どんどん大きくなりますが、66日目になり、平均気温が下がってくると葉っぱがへなへなとした見た目に。少しだけ元気がなくなったように見えますが、冬場はこの状態でやり過ごします。
冬場の水やりのペースは4〜5日に1回くらいで、生育期ではないのであまり頻繁にあげる必要はないそうです。117日目になって寒さが本格化すると、葉先が赤みを帯びた色になりますが、この時期もこのままやり過ごします。
寒さが一段落した149日目になると、無事に葉の色味が復活してきました。ここで2つ目の大事なポイントになるのが、追肥のタイミング。葉が緑色になってきたら生育期のサインなので、追肥を行います。肥料は固形でも液体でも大丈夫とのこと。ぽたろうさんは、11株に対して手のひら1杯程度の「化成肥料8-8-8」を、株元から少し離れたところにまいて混ぜ込んで、最後に水をたっぷりあげています。
すると160日目には、気温の上昇も相まってよりニンニクの成長を感じられるように。葉が多い方が光合成ができ、大きなニンニクが育つため、7枚以上の本葉が出るのを目指します。動画のニンニクでは9枚の本葉を確認できました。
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2回目の追肥は3月中旬ごろに実施します。この時期はニンニクの球自体が太りだす時期で、その手助けとなる追肥です。ぽたろうさんは174日目に行いました。
211日目になると、収穫の時期が近づき、葉の上の方がたれ下がってきました。ここで3つ目のポイントとなるのが、「芽摘み」です。ニンニクのとう立ちは花を咲かせるためのものなので、栄養がこちらにいかないように花芽を摘んでいきます。
一説によると、抜くとそこから雨水が入って病気になる可能性があるため、下の方から折る方がいいとのことですが、ぽたろうさんは「おいしいから全部抜きたい」と引っ張って摘んでいます。
なお、動画では1本のニンニクにさび病が発生していました。またネギアブラムシがとまっているのを見つけたため、速やかに撃退したことを報告しています。
そして230日目、ついに収穫のときです。最後のポイントがこの収穫の目安で、全体的にぐにゃっとしてきて、葉っぱが半分から3分の2程度枯れたら収穫時です。また、節を下から数えて3節目(下から10センチくらい)までの部分が白くなってきたらタイミングとのこと。
一般的な収穫時期は5月中旬〜6月下旬と言われていますが、収穫時期を見逃すと球根が破裂した状態になってしまったりするため、自分の目で見て判断するのが重要としています。
また収穫が迫ったら、水やりをストップします。余計な水分を含んでいると球根に菌が侵入してしまうこともあるそうで、収穫後も水洗いはせずに土をはらうだけにしています。
動画では、お店で売られているような大きなサイズに成長してくれたニンニクの収穫がみられます。さび病にかかったニンニクは見つけた際に試しに採ったため、最終的に10個のニンニクが収穫できました。栽培期間は長いですが、4つのポイントに注意すればいいというのは、わかりやすくて挑戦しやすそうです。なにより、こんなに立派なニンニクが採れたらうれしいですね!
ちなみに、同じ内容と同じプランターで1カ月後に育て始めたニンニクの様子も公開しています。同じタイミングで収穫したところ、あとに植えた方がやはり小さいサイズでした。
動画には当時、「すげー!」「やばい! やりたいけど絶対やらない!」「なんと立派で美味しそうなニンニクでしょう!」「動画が分かりやすくてとても参考になります!」「初心者には有難いです」「私もやってみたい」など、興味をひかれた人の声がたくさん寄せられました。
他にも、長い期間かけて収穫されているニンニクに、「考えると農家さんに感謝だわ」「国産のニンニク高いなぁ〜、と常々思ってたんですが、家庭菜園でも、土つくりから肥料と栽培期間を考えると、自家栽培でも高価に変わりないですね。 農家さんありがとう」なんて声も寄せられていました。
ぽたろうさんは、家庭菜園の魅力をYouTubeチャンネル「ぽたろうの家庭菜園HACK」をメインに、X(Twitter/@HACK1136)やInstagram(@potaro_yasai.beer)でも発信中。2025年7月には、ぽたろうさんの著書『傘袋でジッパー袋で! 最高においしい野菜が1年中、楽しく作れる本』がKADOKAWAから発売されました。
動画提供:YouTubeチャンネル「ぽたろうの家庭菜園HACK」
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