
人材サービスを提供するcircus(東京都中央区)は、営業職の中途採用市場の動向を発表した。調査によると、営業職の求人の想定年収の中央値は522万円で、最も高い業界は「不動産・建築・土木」で575万円だった。
営業職の中途採用において、経験はどれほど重視されるのか。全体の71.3%が「未経験者も可」としており、未経験者の採用に積極的な業界は「人材・BPO」(83.1%)がトップだった。経験者向けの求人割合が高い業界は「Sler・通信」(46.6%)、「IT・Webサービス」(42.2%)で4割超という結果に。
最終学歴の必須要件を見ると、全体では「学歴不問」が42.2%を占め 、高卒以上まで含めると72.2%だった。一方で、大卒以上を求める業界としては「広告・PR・マスコミ」(31.5%)が最も高く、以降「IT・Webサービス」(27.8%)、「コンサルティング」(27.1%)と続いた。
circusは「これらの業界は高度な専門知識や論理的思考力を要する業務が多く、学歴を一つのポテンシャル指標としている可能性が考えられる」とコメントしている。
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待遇に関する動向はどうか。営業職全体の想定年収中央値は522万円であり、経験者向けは600万円、未経験者向けは500万円となった。
「不動産・建築・土木」は、経験者向け(720万円)、未経験者向け(575万円)ともに年収の中央値が最も高かった。「IT・Webサービス」も全体で525万円と高い水準だった。業界の成長性や人材獲得競争の激しさから、給与水準が高いことがうかがえる。
経験者向けと未経験者向けでは、約100万円の差があり、経験が市場価値として高く評価される傾向がみられた。
採用コストについて求人票に設定されている紹介手数料から想定額を分析したところ、「IT・Webサービス」が142.5万円と、他業界と比較して高かった。
経験者向けは年収の31.3%、未経験者向けは年収の16.0%が相場の目安となり、職種経験の有無で紹介手数料の料率は大きく異なる。経験者採用の重要性、未経験者の早期離職リスクなどを考慮し、料率が設定されていることが推察される。
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circusは調査を踏まえ「営業職の求人は、全体では約7割が未経験者を受け入れる積極的な姿勢が見られる一方で、IT・Webサービスなどの専門性が高い業界では、経験者採用に高いコストをかけ、即戦力を求める傾向が分かった。企業が『ポテンシャル採用による層の厚み』と『専門性による早期の業績貢献』という異なる戦略を使い分けており、営業職採用市場の二極化が進んでいると考えられる」とコメントした。
調査は、人材紹介プラットフォーム「circusAGENT」に掲載されている営業職の求人データ(掲載数が700件以上ある6業界の9960件)を対象にインターネットで実施した。期間は4月1日〜9月30日。
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