香港大引:ハンセン0.7%高で反発、赤字転落で美団は2.9%逆行安

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2025年12月01日 18:00  サーチナ

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サーチナ

 週明け1日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比174.37ポイント(0.67%)高の26033.26ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が42.66ポイント(0.47%)高の9172.84ポイントと反発した。売買代金は2008億8420万香港ドル(約4兆116億円)に拡大している(11月28日は1462億400万香港ドル)。
 中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。中国景況感が悪化する中、当局は追加の景気刺激策を打ち出すとの見方が広がっている。11月30日に国家統計局が公表した11月の製造業PMIは49.2と市場予想(49.4)に届かず、景況判断の境目となる50を8カ月連続で下回った。また、これまで堅調だったサービス業も落ち込み、非製造業PMIは49.5と2022年12月以来、約3年ぶりに節目の50を割り込んだ。一方、中国では今月中旬ごろ、2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が開催される見通し。金融関係者からは、当局が会議を経て、26年1月にも預金準備率や政策金利を引き下げる可能性が指摘されている。そのほか、今月9〜10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加利下げが決定されるとの観測が強まっていることもプラスだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.2%高、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が5.3%高、オンライン医療の京東健康(JDヘルス:6618/HK)が3.9%高と上げが目立った。
 セクター別では、産金・非鉄が高い。紫金鉱業のほか、中国黄金国際資源(2099/HK)が11.4%、霊宝黄金(3330/HK)が4.2%、招金鉱業(1818/HK)が3.7%、江西銅業(358/HK)が10.2%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が7.1%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.4%ずつ上昇した。江西銅業については、先週のロンドン金属取引所(LME)で銅先物が史上最高値を更新したことも刺激。金属銘柄全般の追い風となった。
 海運・港湾セクターもしっかり。中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.4%高、太平洋航運集団(2343/HK)が4.2%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.8%高、中遠海運港口(1199/HK)と招商局港口HD(144/HK)がそろって3.4%高、遼寧港口(2880/HK)が2.4%高で引けた。
 半面、医薬セクターの一角はさえない。勁方医薬科技(上海)(2595/HK)が4.4%、中国生物製薬(1177/HK)が1.8%、長風薬業(2652/HK)が1.4%、江蘇恒瑞医薬(1276/HK)が1.3%ずつ下落した。
 他の個別株動向では、フードデリバリー中国大手の美団(3690/HK)が2.9%安。7〜9月決算の赤字転落が嫌気された。フードデリバリー市場で競争が激化するなか、販売費が90.9%増の343億人民元に急拡大したことなどが重しという。王興・最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、「10〜12月期も大幅な赤字を計上する見通し」などと述べた。
 本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.65%高の3914.01ポイントで取引を終了した。非鉄・産金が高い。ハイテク、運輸、エネルギー、消費関連、自動車、インフラ関連、公益、不動産、銀行なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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