山上徹也被告の初公判が開かれた奈良地裁の法廷=10月28日、奈良市(代表撮影) 奈良市で2022年、安倍晋三元首相を手製銃で殺害したとして、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判の第13回公判が3日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれ、4回目の被告人質問が行われた。公判には、安倍氏の妻昭恵さんが初めて出席。被害者参加制度を利用し、検察官の後ろの席に座って法廷でのやりとりに聞き入ったが、自ら質問することはなかった。
昭恵さんは黒色のジャケットの左胸に、拉致被害者救出のシンボルとなっているブルーリボンバッジを着け、午後1時すぎに一礼して入廷。午後3時すぎに被告人質問が始まる前、証言台に立った被告は、昭恵さんに向かって深々とお辞儀し、昭恵さんは軽く頭を下げた。
この日の公判で、被告は標的を世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教団トップから安倍氏に変えた経緯を改めて説明。「(教団に)一矢報いるのが自分の人生の意味だと思った」と話す一方、トップが来日せず、経済的に行き詰まる可能性から安倍氏への襲撃を急いだとし、「安倍氏は本筋ではないと思っていた」と述べた。手製銃について「使わなければ、何のために時間と労力とお金をかけて作ったのか」とも語った。