
寒い冬こそ、しっかり体を温めるために「入浴」が大切。
最新研究で、認知症予防や幸福度アップにも効果が期待できることが分かってきました。
7万人以上の入浴を調査している温泉療法専門医、東京都市大学の早坂信哉教授に「冬のお風呂の入り方」を教わります。
【写真を見る】風邪気味の時、お風呂はどうする?医師が教える「冬の入浴法」認知症予防に効果も【ひるおび】
認知症予防&幸福度アップ!「入浴」の健康効果早坂医師が今年発表した論文によると、
65歳以上の人約7500人を9年間追跡調査したところ、湯船に浸かることで認知症の発症リスクが26%減少したという結果が出ています。
またバスクリンとの共同研究では、20歳〜60歳の男女300人で、湯船に週4回以上浸かる人は、週3回以下の人に比べ幸福度が高いということがわかっています。
入浴によって期待される効果は、主に「血流がよくなること」「深部体温が上昇すること」です。
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▼血流がよくなることで・・・
・血管が拡張し、脳内の認知症原因物質を排出させる
・細胞の生まれ変わりがスムーズになり肌トラブルの改善に
▼深部体温が上昇すると・・・
・免疫細胞の働きが活性化し、風邪や感染症などに負けない強い体になる
・上がった体温が下がるタイミングで眠気が訪れるため、スムーズな入眠ができ睡眠の質が上がる
トータルとして、副交感神経が優位になることで、ストレスホルモンの分泌が抑えられ幸福度がアップするということです。
東京都市大学教授 早坂信哉医師:
湯船に入ると「極楽極楽♪」って声が出ると思うんですけど、事実だということが分かってきたということですね。
早坂医師がすすめるのは、【全身浴で40℃・10分】
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お湯の温度が40℃だと、副交感神経が優位に働きリラックスできます。
しかし41℃以上の熱いお湯は、交感神経が優位に働いてしまい緊張状態となり休息しにくくなってしまいます。
実は入浴30分後の体温は、40℃の入浴でも42℃の入浴でも一緒です。湯あがりに急激に体を冷やさないためにも、ほどほどの40℃がベストです。
早坂信哉医師:
人間の体は急激に熱くし過ぎると、汗を出して体温を下げようとするんです。温かさが持続しないということになりますし、体にとっても負担が大きいです。
また、湯船に浸かる時間は、体に大きな負担をかけずに十分な温熱効果が得られる10分間がおすすめです。長すぎると余計な疲れにつながることもあります。
早坂信哉医師:
「汗が出てきたらいったん終了」を目安にしてください。
冬の入浴時には『かけ湯』を入念に行なうことを心掛けてください。
シャワーを使うとついつい首や肩からかけてしまいがちですが、手足の末端から体の中心に向かって順番にお湯をかけます。
湯船に浸かる前にお湯の温度に体を慣らすことで、ヒートショックを防ぎます。
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また、気をつけないといけないのが「お風呂場での熱中症」です。
冬は夏に比べ水分摂取量が減ります。入浴中には意外と汗をかきますが、湿度が高いので脱水状態に気付きにくいのです。
大量の発汗、こむら返り、頭痛・だるさ、動悸などを感じたら、無理せずお風呂からあがりましょう。
手足の冷えが気になる人には、「温冷交代浴」がおすすめです。
40℃の湯船に3分浸かる
➡冷えの気になる場所に30℃のぬるま湯を30秒かける
➡湯船に3分浸かる
➡ぬるま湯を30秒かける
➡最後に湯船に4分間浸かる
血管の拡張と収縮が繰り返されることで、血流が良くなり冷えの改善が期待できます。
また、入浴剤を入れるなら、“冷え”には「炭酸系」を選びましょう。
泡の出るタイプのものは、完全に溶かしきって泡が出なくなってから入浴すると効果的です。
早坂医師によると、入っても大丈夫です。
風邪のウイルスは高温や湿気に弱いため、入浴することで早い回復が期待できるそうです。
ただし、熱が37.5℃以上あったり、体がきつい時は入浴を避けてください。
もし入れそうな場合は・・・
・38℃〜40℃のお湯に5分間ほど
・長湯をしない
・体が冷えないうちに布団へ
早坂信哉医師:
私達の研究では、熱が37.5°を超えると体調不良のリスクが何倍にもなりますので気を付けてください。熱が低くて体調が良ければサッと入ってください。
(ひるおび 2025年12月2日放送より)
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<プロフィール>
早坂信哉氏
温泉療法専門医
東京都市大学 人間科学部教授
25年以上にわたり7万人以上の入浴を調査
