選んではいけない病院とは? 産婦人科専門医に聞く「更年期世代の女性が知るべきこと」

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2025年12月04日 22:20  All About

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見過ごされがちな更年期の不調。どう対処すべきなのか、BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)美容婦人科指導医・産婦人科専門医の宮本亜希子先生とセックスレス・夫婦仲コメンテーター三松真由美が語り合いました。
40代後半を過ぎた頃から、なんとなく調子が出ない。「更年期かな」と思いつつも、心身の不調を「そういう年齢だから」とあきらめて放置してはいませんか。

オムロンヘルスケアが行った更年期に関する健康意識調査によると、更年期症状を感じている女性のうち、8割もの人が対処をしていないそうです。

働く女性の4人に1人が「更年期世代」ともいわれる現在、正しい知識を持ち、適切にケアすることは、全ての女性の人生の質(QOL)を左右する大事なテーマ。

そこで今回は、All About編集部と、「オトナのお悩み保健室」所長でセックスレス・夫婦仲コメンテーターの筆者が、BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)美容婦人科指導医・産婦人科専門医の宮本亜希子先生に、更年期に起こる体の変化や、不調を感じたときの対処法について伺いました(全2回の#1)。

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宮本 亜希子(みやもと あきこ)先生 プロフィール
BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)美容婦人科指導医・日本専門医機構認定 産婦人科専門医。腟ヒアルロン酸や婦人科形成手術を担当。産婦人科医として、周産期や婦人科美容、アンチエイジングなど、女性の健康や美しさに関わるさまざまな分野に専門知識を持つ。3児の母で、趣味は料理、筋トレ、音楽。
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「更年期」と「加齢」は違う

――更年期症状には個人差があり、ホットフラッシュ、やる気低下、頭痛、関節痛、腟の不快感、尿漏れ、膀胱炎、腟炎など、症状もさまざまです。

博報堂の更年期に関する生活者意識調査によると、40代、50代女性のうち、更年期による不調を自覚しているのは約26%、「もしかして更年期かもしれない」と感じている人を含めると約49%だそうです。約半数の女性が何らかの不調を抱えていることになります。

宮本先生(以下、宮本):まず皆さんにお伝えしたいのは、「更年期」と「加齢」は違うということ。更年期とは「閉経をはさんだ前後10年間」のことです。

卵巣の機能がゆるやかに低下し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減っていくことで自律神経の不調やイライラなどの精神症状が出る。更年期が過ぎれば症状はおさまります。

一方、加齢は生きている限り続くものです。

例えば関節痛なら、痛みの原因が加齢に伴う軟骨のすり減りなどによるものなのか、更年期によるものなのかを判断するために、まずは整形外科でみてもらう。「更年期かも」と思う症状でも決めつけず、まずは原疾患(さまざまな症状の元となる病気)がないか調べることが大事です。

汗が出て動悸がすると私のところに来た方が、血液検査をしたら実は血液の病気である再生不良性貧血だったということもありました。ひと通り検査をして、特定の原因がないとの診断を受けたら婦人科を受診すればいいのです。

――なるほど。イライラすると「更年期じゃない?」なんて言われたりして、この世代の女性の症状は軽視されがちですが、思い込みで思わぬ病気を見逃してしまうこともあるということですね。

宮本:家庭でもそうだと思うんですよ。「どうせ更年期でしょ」なんて夫に言われたりね。

三松:そうだね。

セックスレスだと腟トラブルに気付けない?

三松:私の周りや運営する「恋人・夫婦仲相談所」では、更年期で気分がふさぐと訴える人が多いのですが、この時期って、親の介護の問題と重なりがちなんですよね。更年期とは別の問題を抱えている人も多いです。

宮本:40代で出産した人は子どももまだ小さいですし。親の介護と子育て、両方をしなければならない人も増えています。

三松:しかも、「セックスレスの原因は夫から女として見られてないから」なんて自己ジャッジする人もいる。いろんな意味で悩みの多い世代なのかもしれません。

――調査によると、「面倒だから」という理由で受診に至らない人が多いそうですが、先生のところにはどんなお悩みをもつ方がいらっしゃるのでしょうか。

宮本:私のところにいらっしゃるのは、性交の悩みを抱えている方が多いです。やっぱり痛みを抱えるのはつらいから、性交痛がある方は何とかしようとされますね。

――更年期のフェムゾーンのトラブルは、最近では総称して「GSM」(閉経関連泌尿生殖器症候群)と呼ばれています。

宮本:製薬会社の調査によると、日本のGSM有病率は11.6%。海外では一般的に半数以上といわれていて、日本は海外に比べて症状をもつ人の割合が低いんです。ですが、日本でも性的活動がある人では31.7%と、約3倍になります。

これは、日本人はセックスレスでGSMの症状を自覚できていない人が多いということ。普段からセックスをしている人は症状に気付きやすいんです。

三松:セックスは健康のバロメーターですからね。

婦人科を受診すべきタイミング

――セックスレスの人が多い現状で、性交痛以外で受診のきっかけとなる症状にはどんなものがあるのでしょうか。

宮本:腟炎による外陰部や腟の痛み、かゆみ、においの変化などで婦人科を受診される方が多いです。

女性ホルモンの減少により腟が乾燥すると、腟内の常在菌バランスが崩れて腟炎を起こすのですが、腟炎を繰り返す場合はGSMの可能性があるので婦人科受診をおすすめします。あとは尿もれ、繰り返す膀胱炎もGSMを疑うべきですね。

三松:あと、更年期症状だと自分で判断しやすいのは、ホットフラッシュですよね。それと、腟の乾燥。「顔や首は汗かくのに腟は乾いてる」不思議です。

うつややる気が出ないというのは病院まで行かなくても、と思っちゃうから、顔汗とドライ腟を感じたら婦人科受診を検討するのがよいのではと思います。

医師選びで気を付けたいこと

――おまた周りのことに関して日本は閉鎖的で、悩みがあっても人に話したり、婦人科へ行ったりするのはハードルが高く、ネットの情報に頼りがちな人も多いようです。

宮本:最近は「フェムテック」がはやっていて、ネットでいろんな人がいろんな発信をしていますよね。医者でも婦人科の専門外の人が根拠のない発言をする例もあり、情報が錯綜(さくそう)しています。

例えば「子宮が冷える」という表現もその1つ。子宮という臓器が冷えることはありませんが、SNSやネット記事で見聞きしたことがある人は少なくないはずです。

誰でも「インフルエンザかもしれない」と思えば、病院へ行きますよね。でも、「腟炎かもしれない」となると、ネットの情報をうのみにして自分で何とかしようとしてしまう。婦人科に行った方が早く解決するので、ためらわず受診してほしいです。

――医師の発信だと信頼してしまいそうですが、情報の受け手側で見極めが必要なんですね。クリニックや医師を選ぶときにはどんな点に気を付けるべきなのでしょうか。

宮本:今、医療現場の問題の1つに、医師の「直美(ちょくび)」(医学部卒業後、2年間の初期研修を終えた医師が内科、外科などの一般的な保険診療科を経ずに直接美容クリニックなどに就職すること)があります。

専門知識や経験をもたない未熟な医師の施術によるトラブルが問題となっているのですが、直美の医師が婦人科の自由診療を担当しているケースがあるんです。「直婦(ちょくふ)」と言いますか。

婦人科の保険診療を経験していない医者が美容外科で腟の施術をする……これは恐ろしい状況です。美容外科で婦人科の自由診療を受けるときは、医師を慎重に選んでほしいと思います。

そのためには、クリニックのサイトやSNSなどでその医師の経歴を確認すること。婦人科であれば、産婦人科医としての経験の有無はもちろん、どんな医療機関に何年いたのか、医者になってから現在までの経歴が詳しく記載されているかどうか。

「産婦人科勤務の経験あり」と書かれていても、中には短期間しか在籍していなかったという場合もあります。そのほかに、公的機関が認定した専門医であるかどうかも判断基準になります。

あとは、どんな医療情報も、発信者が医者なら「正しい」のではなく、エビデンス(医学的根拠)で判断しましょう。

例えば、「腟に悪い食べ物3選」というランキングは興味を引くテーマかもしれませんが、その情報に根拠や出典はあるでしょうか。医師は、医学的なことや人の健康に関わることを無責任に発信するべきではないと思っています。

<参考>
・「更年期に関する健康意識調査」(オムロン ヘルスケア株式会社)
・「更年期に関する生活者意識調査」(株式会社博報堂)

三松 真由美プロフィール

男女関係に悩む1万3000名の女性会員が集うコミュニティを展開。セックスレス・ED・女性性機能に詳しく、性を通して男女関係を円滑にするメソッドを考案。講演、メディア出演、著書多数の恋愛・夫婦仲コメンテーター。執筆家。
(文:三松 真由美(夫婦関係ガイド))

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  • 私の経験だと受付スタッフさんが超怖くていばってる病院はパス��(NG)‍♀
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