現代のゲームでは絶対あり得ない…歴代『ドラクエ』“最強すぎる”伝説の裏ワザ・バグ技5選

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2025年12月06日 07:10  週刊女性PRIME

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1988年の発売当時には出荷本数が約380万本というメガヒットになった『ドラクエ3』(スクウェア・エニックスHPより)

 国民的ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズには、ゲームバランスを根本から揺るがす“禁断の裏ワザ”が数多く存在した。現在のゲームでは不具合は即座に修正されるが、かつては仕様の隙を突いた“バグ技”が当たり前のように発見され、プレイヤー間で瞬く間に広まっていったのだ。今回は、シリーズ史に残る代表的な裏ワザを振り返り、その異常な威力と当時の衝撃をご紹介したい。

“最高の攻撃力”を誇る剣

 ファミコン版『ドラゴンクエストII』では、プレイヤー間で「はかぶさのけん」と呼ばれる異形の武器が誕生した。これは「はやぶさのけん」と「はかいのつるぎ」という本来無関係のふたつの武器が、イベント処理の不具合によって合体したような状態になるバグだ。

「はやぶさのけん」の攻撃は通常攻撃が2回になる武器だが、攻撃力が低いのがネック。一方、「はかいのつるぎ」は装備すると呪われてしまうため、実用的ではないが“最高の攻撃力”を誇る剣。「はかぶさのけん」はその“いいとこ取り”の武器だ。

「『はやぶさのけん』を装備して『はかいのつるぎ』を持った状態でハーゴンの神殿に入ると、ハーゴンの幻術によって、主人公の故郷であるローレシア城の幻を見せられます。幻のローレシア城に入ったら『はかいのけん』を装備し、そこから抜け出すと装備は『はやぶさのけん』に戻っているのですが、『はかいのつるぎ』の数値のままになっているんです。開発者も装備の入れ替えまでは想定していなかったのでしょうが、プレイヤーにとってはうれしい誤算となりました」(ゲームライター、以下同)

 また、ファミコン版『ドラゴンクエストIV』には、「8逃げ会心バグ」と呼ばれる裏ワザが存在した。1回の戦闘中に「逃げる」コマンドを8回入力すると、次の攻撃がすべて“会心の一撃”になるというシンプルな現象だ。

「通常戦闘では4回目で確実に逃げられてしまうため、8回逃げ続けられるのはボス戦のみでした。特にラスボス・デスピサロの第一・第二形態は通常攻撃しか行わないため、スクルトで守りを固めつつ逃げることで比較的安全に発動が可能。結果として、第三形態以降の難易度を大きく下げることができました。ただし、逃げ続ける間は一方的に攻撃を受けるリスクもあり、実用性は高いが慎重さも求められました」

“はぐれメタル”さえ簡単に仲間に

 スーパーファミコン版『ドラクエII』「マヌーサザラキ」も外せない。「マヌーサ」は敵グループに幻を見せて命中率を下げる呪文で、「ザラキ」は確率に左右されるが、敵グループを一撃死させる呪文。

「マヌーサの効果がかかっている敵には必ずザラキが効くようになっており、その敵にはラスボス・シドーも含まれていました。一撃で倒せるわけではありませんが、『254のダメージ』を与えることができ、強力な裏ワザとなりました」(サブカルライター、以下同)

『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』「ひとしこのみ」も有名だ。主人公の道具欄を特定の順番、「ひのきのぼう」「とがったホネ」「しあわせのぼうし」「こんぼう」「のこぎりがたな」「みかわしのふく」、残りは空欄にするだけという極めて簡単な手順で、モンスターが必ず仲間になるという異常な効果が発生する。

「本来なら仲間になる確率はモンスターごとに設定されているのですが、この裏ワザを使うと判定そのものが無効化され、倒した敵が確実に起き上がる。さらに、攻撃がすべて必中かつ会心の一撃となり、戦闘バランスが完全に崩壊する点も見逃せません。仲間になる確率の低い“はぐれメタル”すら簡単に仲間になるため、当時はゲームを大幅にショートカットできる禁断技として広く知られていました

 最後は『ドラゴンクエストVI 幻の大地』「凍れる時の秘宝」だ。これはアストロンで味方全員を行動不能にした状態で、敵が「凍てつく波動」を使用することで発生する。

「アストロンは味方を鉄の塊にして動けなくし、同時に敵の攻撃をほぼ無効化する効果を持ちますが、凍てつく波動でその効果が解除されると、味方が自由に行動できるにもかかわらず、敵の攻撃は依然として通らないという“完全無敵状態”になります。本作のラスボス・デスタムーアは右手が凍てつく波動を多用するため、条件が揃えばほぼノーダメージで撃破できるという事態が生まれました」

 こうした裏ワザ・バグ技は、いずれも当時の技術と仕様の隙を突いた“偶然の産物”である。しかし、驚きとワクワクを与えるゲーム体験として、多くのプレイヤーの記憶に今も深く刻まれている。現代のゲームではまず見られないほど大胆で、時にゲームそのものを変えてしまう裏ワザの数々は、『ドラクエ』シリーズが築いた“もう一つの伝説”と言えるだろう。

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