記者会見するNHKの井上樹彦次期会長=9日午後、東京都渋谷区 NHK次期会長に選任された井上樹彦副会長が9日、東京都内で記者会見し、「公共メディアとしての不変の使命を果たすため、人材の確保と受信料収入の下げ止まりを何としても実現する」と抱負を述べた。受信料の値下げで2024年度まで2年連続の赤字に陥っており、収益改善に向けて「総力戦で取り組む」と意気込みを示した。
井上氏は政治部長や編成局長、子会社社長などを歴任し、23年から副会長として稲葉延雄会長を支えてきた。NHK会長は08年以降、経済界から6人続けて登用されてきたが、18年ぶりの生え抜き会長として来年1月25日付で就任する。
政治部の記者出身で政界との距離感が懸念されていることに対しては、「政治の圧力に屈すれば報道機関としての根幹を切り捨てることになる。NHKが信頼されるためにしっかり(中立性を)守りたい」と強調した。