国土交通省=東京都千代田区 神戸市の商業ビルで2月、エレベーターのかごが来ていないのに開いたままの扉から医師の男性=当時(31)=が転落死したとみられる事故があり、国土交通省の昇降機等事故調査部会は23日、事故8カ月前に保守管理業者が行った修理時のミスで、扉が開いていてもエレベーターが動く状態だったとする調査報告書をまとめた。
保守管理業者は、業界大手の三菱電機ビルソリューションズ(東京)で、兵庫県警は3月、業務上過失致死容疑で同社の兵庫支店を家宅捜索。関係者から事情を聴くなど捜査している。
県警などによると、2月27日午前4時ごろ、4階のエレベーターの扉が開いていると連絡を受けた保守作業員が地下1階部分で、男性があおむけに倒れているのを発見した。男性は4階から転落したとみられ、死因は背中を強く打ち付けたことによる血気胸だった。
報告書によると、保守作業員が昨年6月、地震感知器の誤作動を受け修理した際、安全装置の一部をオフにしたまま作業を終えた。このため、通常であればすべての階の扉が閉まらなければ動かないかごが、扉が開いていても動く状態になっていた。