
前ロッテの沢村拓一投手(37)が、現役を引退することが8日、分かった。巨人、ロッテ、大リーグのレッドソックスでプレーし、日米通算549試合に登板。新人王、最多セーブを獲得するなど、球界を代表する「剛腕」として、球史に名を刻んだ。549試合の中、天国に旅立った祖母に贈ったセーブがある。
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沢村は、マウンドから東京ドームの天井を見上げた。「ばあちゃん、見ててね」。15年7月7日、七夕のヤクルト戦だった。この日、故郷の栃木では、祖母の通夜が営まれていた。本当なら、その場に駆けつけたかったが、母の和子さんから「ばあちゃんも喜ばないから、あなたはマウンドに上がりなさい」と言われ、覚悟を決めた。
チームは、3点のビハインドを背負ったが、一丸ではね返した。運命的な展開に涙腺がゆるみかけたが、マウンドに上がる時、強く決心した。悲しみを表情やしぐさに出さず、「勝つために投げる」。それが守護神としての誇りだった。
9回、マウンドに上がった沢村は涙をこらえ、無表情でボールを投げ込んだ。2死後、山田を空振り三振にねじ伏せ、ゲームセット。試合後、原監督の直筆サインが記されたウイニングボールを大事に持ち帰った。「ばあちゃん、勝ったよ」。巨人が大好きだった祖母に贈る、最後のプレゼントだった。
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◆沢村拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日、栃木市生まれ。佐野日大から中大を経て、10年ドラフト1位で巨人入団。1年目の11年に11勝(5完投)、防御率2・03(セ・リーグ3位)で新人王。15年に配置転換されると、守護神として2年連続35セーブ以上を記録し16年最多セーブ。20年9月に香月一也とのトレードでロッテ移籍。同年オフに海外FA権を行使しレッドソックス移籍。大リーグで2年プレー後、自由契約となりロッテに復帰した。13年WBC、15年プレミア12日本代表。184センチ、105キロ。右投げ右打ち。
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