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KDDIの松田浩路社長は2026年2月6日、「2026年3月期第3四半期決算説明会」で、子会社の社員により不適切な取引が行われていた疑いが判明した件を陳謝した。合わせて、通信サービスへの影響を説明した。
同年1月14日、KDDIは同社の連結子会社であるビッグローブと同社子会社のジー・プランの広告代理事業に関し、子会社の社員により不適切な取引が行われていた疑いが判明したと発表した。同日開催の取締役会で、特別調査委員会を設置し、同委員会による本件に対する調査を行うことも発表した。
KDDIはニュースリリースで「株主・投資家の皆様、お取引先をはじめとする関係者の皆様に、多大なるご迷惑・ご心配をおかけすることとなりましたことを、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
●特別調査委員会の設置に至った経緯
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KDDIは、子会社の広告代理事業における取引の妥当性について、社内監査役及び内部監査部門による調査を実施していたが、同社の会計監査人からも当該取引の妥当性に関する指摘を受け、社内監査役が主導して外部の公認会計士を交えた調査を実施。その後、2025年12月中旬になって一部の広告代理店からの入金が遅延したことを契機に、売上高等が過大に計上されていた可能性が判明したという。
これを受け、KDDIは外部の弁護士・公認会計士を含む社内調査チームを設置して追加の調査を進めた結果、2026年1月上旬に広告代理事業の一部に本件子会社の社員による不適切な取引の疑いが確認された。
松田氏によると、KDDI社内調査の結果、子会社の社員が広告主が存在しないにもかかわらず広告代理事業の架空取引を行い、複数年に渡って架空の売上高等の計上がなされていた疑いを確認したという。
こうした状況を踏まえ、KDDIは本件に関する事実関係やその原因等を明らかにするためには、専門性及び客観性のより高い調査を実施する必要があると判断し、取締役会で外部の弁護士・公認会計士で構成される特別調査委員会を設置。同委員会に本件調査を委嘱した。
●過大計上した売上高は現時点で累計約2460億円
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松田氏は質疑応答の中で、現時点で確認されている業績への影響額について言及した。過大計上した売上高は現時点で累計約2460億円、営業利益は累計約500億円に上ると認識しているという。また、取引全体の中で複数の代理店が手数料として受け取り、社外へ流出した金額は約330億円としている。
不正に関与した疑いがあるのは、ジー・プランの社員2人で、2017年頃から取引が行われていた。また、不適切取引の資金源の一部として、KDDIグループ全体の余剰資金を融通する「グループファイナンス」によるビッグローブへの貸付金が使われていたことも明らかにした。
●「通信サービスの提供には一切影響がない」と松田氏
松田氏は、2026年2月6日の決算説明会で、本件が「広告代理事業における取引である」ことや、「KDDI社員は関与していない」ことを明らかにした上で、「ビッグローブを含めて通信サービスの提供には一切影響がないことを確認している」とした。さらに、「グループ会社のガバナンス強化と見直し、再発防止策を検討している」と述べた。
本件について、KDDIは3月末をめどに特別調査委員会より調査報告書を受領し、公表する予定だとしている。
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【更新:2月6日21時25分】質疑応答での松田社長の発言をもとに、現時点で判明している「過大計上した売上高などの金額」「社外流出額」「関与した社員数と期間」「資金源」についての情報を追記しました。
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