
ミラノ・コルティナオリンピック™では「環境への配慮」を謳っていますが、会場の地元住民の中には複雑な思いを抱えている人もいます。
イタリア北東部のコルティナ・ダンペッツォに住むシルベリオ・ラチェデッリさん(75)。オリンピックを機に街の様子が一変したと話します。
シルベリオ・ラチェデッリさん
「この辺は昔、森でした。アドベンチャーパークなどもあり、子どもたちの遊び場だったのです」
かつて子どもたちが遊べる遊具があった場所には、今回のオリンピックのためにボブスレーコースが造られました。
シルベリオ・ラチェデッリさん
「樹齢160年のカラマツの森がありました。何世紀にもわたって存在していた森が伐採されてしまったのです」
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過去に土砂崩れも起きていて、ラチェデッリさんらは「カラマツを植えたことで街は守られている」などと訴え、デモ活動を行いましたが、建設は進められました。
実はコルティナには、かつてもボブスレーコースが存在していました。
シルベリオ・ラチェデッリさん
「ここは放置された1956年のオリンピックの(コースの)スタート地点です」
1956年のコルティナ・ダンペッツォオリンピック。当時も新しいボブスレーコースが造られました。
記者
「70年前に行われたコルティナオリンピックのボブスレーのスタート地点です。雪が積もっていますが、はっきりとコースの跡が残っています」
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ラチェデッリさんが去年、自転車に乗ってコースを撮影した映像では、老朽化は進んでいますが、全体の形状は残されていました。一部の住民らは今回のオリンピックでもこの施設を「活用してほしい」と提案しましたが、受け入れられませんでした。
2006年のトリノオリンピックでもボブスレーコースを新たに建設。しかしその後、廃墟と化したことで社会問題にもなりました。
「本当に3つ目のコースは必要なのか」。住民の中でも意見は割れたといいます。
地元住民(賛成)
「ボブスレーコースが造られたことで新しい価値や魅力が生まれ、コルティナのためになると思います」
地元住民(反対)
「木を切らなくてもコースを造る場所はたくさんありました。施設を維持するためにもお金が必要です」
およそ200億円かけて造られたとされる今回のボブスレー会場。今後の使い道について市長は…
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コルティナ・ダンペッツォ市長
「今後4年間のボブスレーやリュージュのトレーニング、世界大会や国際大会のための計画をすでに策定しています」
オリンピックのレガシーか、未来への負債か。地元住民らは期待と不安を抱えながらオリンピックを迎えています。
