
韓国発のICT企業であるALTは、日本法人のALT JAPANを設立し、日本市場への本格参入を果たした。その第1弾製品として、折りたたみ型のスマートフォン「MIVEケースマ(マイブ ケースマ/型番:AT-M140J)」を2月19日に発売する。メーカー希望小売価格は3万4800円からだ。
同社は「All Life Technology(全ての人の生活を豊かにする技術)」を企業理念に掲げ、5GやIoT、AI対応のデバイスを主軸に展開する2017年設立の企業だ。韓国国内では主要通信キャリア3社を通じてシニアやキッズ向け端末を供給し、2025年にはKOSDAQ上場を果たしている。
韓国国内では主要通信キャリア3社を通じて、シニアやキッズといった特定の層に特化した端末を展開し、確固たる地位を築いている。2024年度には売上高約150億円を達成し、2025年11月には韓国の株式市場「KOSDAQ」への上場を果たした。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの実力派メーカーである。
ALT JAPANは2月12日に都内で会見を開催した。ALT JAPANのイ・サンスCEOは、「市場や利用者が真に求める製品を提供することが自身の使命だ」と語った。日本市場への進出に際し、日本の「心」と「志」を尊重し、誠実な姿勢で信頼を築くことを誓った。さらに、日本市場のニーズをくみ取った形で製品化し、サポートも怠らない姿勢を示した。
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●物理キーがもたらす文字入力の圧倒的な安心感
ALT JAPANが第1弾製品として市場に投入するMIVEケースマは、折りたたみ型の形状を採用したAndroidスマートフォンで、外観はかつての「ガラケー」そのものだが、中身は最新のアプリが動作する。最大の特徴は、指先に確かな打鍵感を伝える物理キーボードの搭載である。スマートフォンへの移行をちゅうちょする最大の要因である「タッチパネルでの文字入力の難しさ」を、この物理キーが完全に見事に解消している。
文字入力システムには、「Wnn(ウンヌ)」を手掛けるオムロンデジタルの「iWnn IME for Android」を採用。ALT JAPANのキム・ヒチョルCOOは、物理キーと日本語特有の予測変換を完璧に融合させることに苦心したと明かす。オムロンデジタルの長谷川貴久氏は、「日本には平仮名、片仮名、漢字の切り替えや予測変換がある。これがそのままだとなかなかうまくいかず、課題があった」と開発時の苦労を語った。
長谷川氏は、「OSの深いレイヤーからチューニングを進めてきた」と開発を振り返る。さらに「これまでのスマートフォンになかった、書く楽しみ、打つ喜びを感じていただけるデバイスになったと確信している」と語り、物理キーならではの確実性があることに触れた。
●LINEも動画も楽しめる――スマホとケータイの「いいとこ取り」とは
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ケースマという名称は、携帯電話とスマートフォンの頭文字を組み合わせたものである。この名前が示す通り、従来の折りたたみ携帯の使い勝手と、スマートフォンの利便性を高い次元で融合させている。4.3型のメインディスプレイは、LINEのやりとりはもちろん、YouTubeなどの動画視聴にも十分なサイズだ。最近流行している縦向きのショート動画も、この形状であれば片手で快適に視聴できる。
また、本体を閉じた状態でも情報を確認できる約1.83型のサブディスプレイを備えている。着信相手の確認や歩数計、ラジオの動作状況などを、わざわざ本体を開くことなく一目で把握できる。ホーム画面は「シンプルホーム」と「標準ホーム」の2種類を用意。キム氏は「シンプルホームは特に、ほぼガラケーと同じような見た目になっている」と、使い勝手の良さをアピールした。
IP54等級の防塵・防水性能もサポートしており、日常生活のさまざまなシーンで天候を気にせず利用できる点も、実用性を重視する利用者にはうれしい仕様だ。
●大切な家族を見守るための充実した安心機能を搭載
シニア層をメインターゲットに据える本端末は、安全面での配慮が極めて手厚い。本体側面には専用のサイドボタンがあり、これを長押しすることで「SOSボタン」として機能する。緊急時にボタンを押せば、あらかじめ登録した保護者へ現在地情報とともにSMSが自動で送信される。さらに、端末の開閉や物理キーの入力が一定時間ない場合に、保護者へ通知を飛ばす「未使用時の安心メッセージ」機能も備えている。
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これらの機能は、離れて暮らす家族にとって大きな安心材料となるだろう。キム氏は、利用者のプライバシーを守りつつ、さりげなく見守る仕組みの重要性をアピール。また、音声お知らせ機能により、時刻や発信元を耳で確認できる工夫も施したという。通話の機能に関しても安心感がある。例えば、非通知や公衆電話からの着信をブロックしたり、個別に電話番号を指定して拒否したりできる。
●スマホデビュー者だけじゃない――MIVEケースマは誰に向く?
短時間ながら実機に触れてみると、物理キーをたたくレトロな感覚を求める人や、通話メインで使いたいもののアプリも少しは入れたい人に向くと感じた。また過剰な通知から距離を置きつつ、LINEなどの必須ツールは手放したくない、という人にも向くだろう。
ALT JAPANは、日本でのビジネス開始にあたり「050-5527-9627」にて専用のサポートセンターを開設した。キム氏は「特にシニアの方が端末の設定や操作の疑問がある場合も、お電話や問い合わせフォームで受け付けて説明する」と、アフターサービスの重要性を改めて強調する。
本製品発表時点(2月12日時点)での販路は、MVNOがイオンモバイル、HIS Mobile、J:COM MOBILE、LIBMOで、家電量販店がビックカメラとヨドバシカメラだ。キム氏は、「日本でもキャリアとのビジネスを行いたい」との考えを述べ、「(日本のキャリアから採用されることは)簡単なことではないので、引き続き対話を重ねていきたい」と述べるにとどめた。
イ氏は、「誠実さを礎に信頼を積み重ね、責任ある姿勢を持って日本市場と共に成長していく企業でありたい」と、日本での決意を改めて示した。アルトは製品の発売後も「継続的なソフトウェアアップグレードを提供し、お客さまとの責任ある関係を築き続けていく」(イ氏)としている。
●3G停波という転換期に日本市場へ挑む理由
質疑応答の中で、イ・サンス氏は日本進出の理由を「韓国市場との特性や顧客の習慣が非常に似ていると判断したためだ」と明かした。2年以上かけて市場調査を行い、周到に準備を進めてきたという。NTTドコモなどの3G停波による買い替え需要についても、キム氏は「3G停波については重々承知しており、本音を言えばもう少し早く発売できればよかったとも考えている」と率直な胸中を吐露した。
一方でキム氏は「まだ3Gを使っている方や、4Gのガラケーを使っている方が数百万単位でいらっしゃる。そうした方々がスマホに乗り換える第一歩として、この製品を提供できればと考えている」と、市場の潜在能力に期待を寄せた。日本特有の機能であるFeliCaについては「検討してぜひ搭載したいとは考えたが、今回はスケジュールの都合やコスト面、またターゲットユーザーの特性などを鑑みて非搭載という判断をした」と説明し、まずは操作性の向上にリソースを集中させたことを強調した。
今後の展望について、イ氏は「キッズフォンに関しても、日本市場に向けた発売を研究・計画している。有害サイトへのアクセス遮断などのニーズは日韓で共通している」と述べ、市場拡大への意欲を示した。このほか、バルセロナで3月2日から5日にかけて開催される「MWC Barcelona 2026」への出展も予定しており、日本から世界へ向けてそのビジョンを拡散していく。
【訂正:2月12日20時35分】初出時、製品名のスペルを小文字で記載しておりましたが、正しくは大文字です。お詫びして訂正いたします。
【更新:2月12日20時35分】日本市場への参入意図について追記を行いました。
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