
電通グループは2月13日、次期社長に中核会社である電通の佐野傑(さの・たけし)社長が昇格する人事を発表した。五十嵐博社長は退任する。3月27日開催の株主総会後の取締役会で正式に決定するという。
2025年12月期の連結決算(国際会計基準)は、純損益が3276億円の赤字と過去最大になった。海外事業の不振に加え、過去の買収先企業の価値を見直した結果、約3101億円の減損損失を計上したことが主な要因だ。電通Gは新しい体制を作ることで、立て直しを目指す構えだ。
新社長に昇格予定の佐野氏は、どんな経歴なのだろうか。
●国内外で変革を推進 広告の枠を超えた「キャリアと手腕」とは?
|
|
|
|
佐野氏は現在55歳で、3月3日に誕生日を迎えるため、3月27日以降の社長就任時には56歳となる。テレビや新聞などの広告枠を扱うメディア部門の出身ではなく、広告主との直接的な関係を築く営業畑を長く歩んできた人物だ。
1992年に東京大学経済学部を卒業後、電通に入社。営業部門を中心に多岐にわたる業務を担当し、2021年には電通の執行役員に就任している。
その後は、国内グループ会社の取締役を歴任。マーケティング・プロモーション、同社の事業全体の変革であるBX(ビジネストランスフォーメーション)、企業・マーケティング基盤の変革であるDX(デジタルトランスフォーメーション)領域を管掌した。
2022年から電通の執行役員(ビジネスプロデュース・グローバル統括)と、電通ジャパンネットワーク(現dentsu Japan=国内の電通グループの総称)の執行役員として、国内営業部門や海外事業部門、BX/DXコンサルティングを統括。2023年からグローバル全体のBX CEOを兼務し、2024年には、dentsu JapanのCEOと、電通の社長執行役員も兼務してきた。
2025年からは電通グループのデピュティ・グローバルCOOをdentsu Japan CEOと兼務。国内外の事業連携の高度化、グローバルで事業を展開する日系顧客企業の日本国外での事業拡大への貢献など、グローバル経営でも多くの実績を残している。
|
|
|
|
佐野氏はBXやDXに加え、高度化された広告コミュニケーションであるAX(アドバタイジングトランスフォーメーション)や、顧客体験の変革であるCX(カスタマーエクスペリエンストランスフォーメーション)領域も強化するなど、電通グループの変革を率いてきた。
記者は2024年12月に実施したインタビューで、佐野氏に「リーダーとして大切にしていること」を聞いている。
「フランスの哲学者、アランの『幸福論』の言葉に『悲観は感情、楽観は意志』という言葉があります。感情に引きずられれば悲観的になる一方、逆に意志をしっかりと持てば、楽観的でいられるという意味です。リーダーとして、意志を持ってポジティブでありたいと思います」(佐野氏)
(参考記事)電通社長に聞く「営業の極意」 クライアントのニーズを理解する秘訣とは?
「悲観は感情、楽観は意志」。グローバルで変革を推進してきた佐野氏が、今後の再建にどんな手腕を発揮するのか注目だ。
|
|
|
|
(アイティメディア今野大一)
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。

ジモティー リアル店舗が急拡大(写真:ITmedia ビジネスオンライン)62

ジモティー リアル店舗が急拡大(写真:ITmedia ビジネスオンライン)62