おにぎり、スイーツ…… コンビニの“大盛合戦”は「やりすぎ?」それとも「盛りすぎ?」 どこまでいくのか

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2026年03月07日 06:40  ITmedia ビジネスオンライン

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増量キャンペーンの狙いは?(出所:ゲッティイメージズ)

 コンビニで「大盛」「超大盛」「盛りすぎ」など、大サイズの商品が増えている。


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 おにぎり、弁当、カップ麺、スイーツなど、対象商品はさまざまで、たくさん食べたい人の需要を満たしている。


 サイズが大きければ細々と買う必要がなく、節約につながるため、物価高で財布のひもが固くなった消費者に選ばれているのだろう。


 しかし、コンビニ大手各社は、なぜここまで積極的に「大サイズ」企画に取り組んでいるのだろうか。本稿では、各社の具体的な取り組みをもとに、その意図を考察したい。


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●大サイズの先駆者、ローソン


 ローソンは2023年2月に、通常商品の一部をデカ盛りに増量する期間限定の「盛りすぎチャレンジ」を初めて実施。それ以降毎年継続している。コンビニ業界に大サイズの流れを生み出したのは、ローソンと言って良いだろう。


 通常は価格据え置きで重量を47%増量しているが、2025年6月に創業50周年を迎えたことを記念して、50%増量を行った。


 直近の「盛りすぎチャレンジ」は、2026年1月27日から4週間連続で行われた。プレミアムロールケーキ、カツカレー、ホットコーヒーなど、合計35種類の商品を50%増量。これほど多くの商品で大盛企画を展開しているのは、ローソンくらいだろう。スイーツや弁当に加え、メーカー商品まで「盛りすぎ」の対象となっているのが特徴だ。


 この「盛りすぎチャレンジ」はコロナ禍に始まった。既存店の売り上げが低下する中での需要喚起の目的もあったとみられるが、理由はそれだけではない。


 「コンビニは人が集い、ワクワクする場所でありたい。そうしたエンターテインメントの要素もある」(同社・広報)


 単なる集客目的の施策ではなく、コンビニの楽しさを発信する企画でもあるのだ。


●ミニストップの日に合わせた企画も


 ミニストップでも、ローソンのような増量企画が進行中だ。


 3月2日の「ミニストップの日」にちなみ、2月17日〜3月16日の期間中、「ミニストップ大感謝祭」と称した企画を実施。アプリ会員向けに、対象商品の価格を据え置いたまま50%増量する施策を行っている。


 第1弾は2月17日〜3月2日の期間で、対象商品は「Xフライドポテト」「ソース焼そば(マヨネーズ付)」「得々にぎり寿司12貫」。第2弾は3月3〜16日で、「シューストポテト」「ひきわり納豆細巻12巻」「三元豚ロースのカツカレー」が対象となっている。


 対象の増量商品を2個購入するごとに、「得盛パフェ」各種が本体価格から100円引きになるクーポンを1枚提供する。


 「ミニストップがデカストップに!?」というキャッチコピーにはひかれるが、50%増量になる商品は非常に限られている。


 ミニストップの既存店売上高は、昨年7月から今年1月まで7カ月連続で前年同月を下回っている。今回の増量企画には、この苦境を何とか打開したいという意図もあるのだろう。


 対象商品をもう少し増やし、“真のデカストップ”を目指してもらいたいところだが、まずはこの施策がどのような効果を生むのか。注目したい。


●セブン-イレブンはPBで勝負


 セブン-イレブン(以下、セブン)では、ビッグサイズのカップラーメンが目立つ。大手メーカー商品の希望小売価格が270〜300円が中心であるのに対し、同社のPB「セブンプレミアム」の大サイズは213円で販売している。「相対的に手頃に感じていただきやすく、販売も好調」(同社・広報)だという。


 「関西風肉うどんBIG」は特に売れ行きが良く、新たに定番商品としてラインアップされることとなった。3月には、人気のカップラーメン「わかめたくさん あさりだし塩ラーメン」の大サイズを数量限定で販売する予定だ。今後も198円のビッグサイズ商品を増やしていくという。


 「超大盛」という麺が120グラムのシリーズもあり、2月末より「スタミナ醤油ラーメン」が販売されている。


 また、セブンでは人気漫画『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』とのコラボ企画を過去2回実施している。


 1回目は昨年2月で、具だくさんのおにぎり3品と、弁当2品を販売した。特におにぎりはボリュームがあり、成人男性でも2個食べれば空腹を満たせるほどの分量だった。


 2回目は昨年11月で、7種類の商品を販売。油淋鶏、ギョーザ、麻婆春雨、中華風ペペロンチーノを一度に楽しめる「チョモランマ盛り」が売りの中華弁当は、1000キロカロリーを超えるボリュームが話題となった。また、ソースがかかった特大コロッケがパンからはみ出した「とびでたコロッケパン」は、見た目のインパクトが目を引いた。


●ファミマもおにぎりやスイーツで追随


 ファミリーマート(以下、ファミマ)は、おにぎりの大サイズ企画に取り組んでいる。


 3月3日、同社独自の製法を採用し、ふっくらとした食感に仕上げた「大きなおむすび」3種類を新たに発売した。いずれも定番サイズの約1.5倍の重量がある。


 商品は「明太子と鮭マヨネーズ」「マヨ玉肉そぼろ」「昆布とツナマヨネーズ」の3種類。これに加え、3月3日から期間限定で、定番6種類のおにぎりを、価格据え置きで具材を1.5倍に増量する施策も実施している。


 ファミマでは、スイーツや焼き菓子でも大サイズ企画を展開しており、こちらでも強いインパクトを残している。


 昨年3月の期間限定の「なが!デカ!」企画では、5種類の商品を販売した。「スイーツでお腹いっぱいにしたい」というユーザーの思いに応えるべく、飽きずに完食できる商品づくりに取り組んだという。


 特徴的なのはその「長さ」だ。約27センチのロールケーキやカスタードエクレア、直径約11センチのクリームシフォンが注目を集めた。また、厚揚げのような見た目のフィナンシェや、約60ミリの厚さであごが外れそうなほどのサイズのバウムクーヘンも目を引いた。値段が一番高いエクレアでも325円と、大きなサイズながら手頃な価格も人気となった理由だ。


 また、昨年10月には「大きなティラミス」が登場。豆腐1丁ほどのサイズで、通常のティラミスの約2倍の大きさながら、価格は598円に抑えられている。さらに昨年12月には、「大きいクッキー」が期間限定で販売された。このクッキーは通常のチョコマカダミアクッキーの約2倍の重量で、うちわのようなサイズ感。1食分に匹敵するほどのボリュームだった。


 大サイズのプリンも人気だ。2022年9月には、通常のプリンの約6倍のサイズの「プリンドーン!!」の販売も開始。今年2月24日には、通常の窯出しとろけるプリンの2倍となる「クリームと食べる! 大きな窯出しとろけるプリン」が発売となった。


 こうした商品展開を通じて、「デカ盛スイーツならファミマ」というイメージを定着させることに成功している。


●大サイズに込められた思いは……?


 コンビニの大サイズ商品は以前から存在していたが、本格的に広がり始めたのはコロナ禍以降だ。


 当時はステイホームの風潮もあり、コンビニの売り上げも停滞していた。しかし、暗い世相を少しでも吹き飛ばし、消費者に楽しんでもらいたいというコンビニ業界の思いもあり、この取り組みが広く浸透していったのだろう。


 コロナ禍は過ぎ去ったものの、現在は物価高の影響もあり、消費が活発とは言い難い状況が続く。原材料、人件費、光熱費、配送費とコストが上がっているので、コンビニも値上げをせざるを得ない。


 「厳しい環境の中でも、お得感のある商品で来店を促し、買い物を楽しんでもらいたい」というのが、大サイズ商品に込められた狙いなのかもしれない。


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(長浜淳之介)



このニュースに関するつぶやき

  • スーパーが思ったほど安くないし人が多いので、コンビニでいいじゃんってなる、あ、セブンは対象外っす・・・
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