
日本バレーボール協会(JVA)の元幹部が、女子有力選手の日本国籍取得を巡る手続きで上申書の偽造を試みて昨年処分されていた問題で、新たな事実が明らかになった。国に提出する「案」への署名と押印を当時の選手所属チームに拒否され、撤回していたはずが、実際は無断でそのまま作成。法務局に提出されたことまで協会が確認したことを日刊スポーツが18日付の1面で報じると、川合俊一会長(63)が反応した。
同日、都内でSVリーグとの連携会議の進捗(しんちょく)報告会に出席。無関係の質問はNGと司会から通告された後、冒頭に「ああいう記事が出たので、近々に記者会見します。その時にお答えしたいと思います。連携報告会議は、私たちにはものすごく大事なので、こんな日に記事を出されて『ん?』という感じ」などと語った。
SVリーグ大河正明チェアマンとの約40分間の会見を終えると、帰り際に再び本紙報道に言及した。
「ロサンゼルス五輪を決めた時(1983年)以来の1面だよ」
自身がスポーツ紙の1面を飾ったことについて、暗い話題を明るく吹き飛ばしたかったのか、選手の人生に関わる不祥事が発覚した当日の組織トップとは思えない天性の朗らかさとサービス精神と危機意識のなさで、軽率に笑い飛ばした。
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関係者にガードされながらエレベーターに乗り込んだ後、調べると、確かに当時の本紙も1面だった。1983年(昭58)12月2日付。東京体育館で行われたバレーボール男子アジア選手権の決勝で、日本が中国に3−2で逆転勝ちし、翌84年のロサンゼルス五輪切符を獲得したことを大きく伝えていた。
「日本大逆転」「セット数0−2から奇跡がまた起きた」「ロス切符」「中野バレー開花」に次ぐ5番手の大きさで「“やさ男”川合が救世主」の見出しが立っていた。
記事では「男度胸の一発勝負」から始まる段落で、セットカウント0−2の劣勢から流れを変えた場面について「第3セット、日本の10−7からの川合の起用」と登場した。
「やさ男に見える川合だが、前日から中国のエースである汪嘉偉に対し『絶対に僕がブロックで止めてみせますよ』と豪語していたほど」「チームは沈滞ムードだし、暗い顔はしてられない。精いっぱい暴れ回ろうと思った」
言葉通り、第4セットから大活躍。「ブロック、クイック、フェイントが思うように決まった」という。
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以来…ということもないだろうが、四半世紀後、日体大3年だった選手から協会会長となった川合氏の名が再び1面に載った。今回は、川合会長が女子選手の日本国籍取得に関して「総論として困っていることがあれば助けてあげなさい」と担当者に伝えたことなどが記事化されている。【木下淳】
◆問題経過 18年に来日した選手が、日本人男性と結婚後の23年1月に国籍取得を開始。「継続的な滞在」が必要な中、オフの半年間は帰国していたため難航し、代表入りさせたい協会の当時幹部が「海外出張命令」を装って要件緩和を画策した。24年5月に国への上申書「案」として作成したが、チームに「事実と異なる」と拒否されて撤回。25年6月に発覚した際に第三者委が検証し「未提出だった」と結論づけたが、実際は架空理由のまま無断で偽装が進められ、チームに隠して、協会名義で法務局に提出していた。一方、この上申書で手続きが進み、選手は24年6月に日本国籍取得。しかし協会が国際連盟の規定変更を見落としたため、全日本資格がない“代表難民”となっている。
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