山の上ホテルは1954年に開業。神田駿河台の高台に位置し、米国人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計による、アールデコ様式のクラシカルで瀟洒(しょうしゃ)な意匠を特長としている。川端康成や三島由紀夫、池波正太郎ら多くの文化人に愛され、「文化人のホテル」として広く知られる。竣工から86年を迎え、建物の老朽化を理由に2024年2月に休館。創立150周年記念事業として同施設の土地建物を取得した明治大学は、竹中工務店とともに創建時の設計を尊重しながら改修を進める計画を発表している。
保存継承事業の実現には歴史や文化的背景を踏まえたホテル運営ができるパートナーが必要とし、任天堂旧本社社屋と建築家の安藤忠雄の設計監修の新建築が融合した「丸福樓」のほか、青山ベルコモンズ跡地に生まれたホテル「THE AOYAMA GRAND HOTEL」など、歴史的建築物の再生とストーリーを重視したホテル運営実績を有するPlan・Do・Seeをパートナーに選定。同ホテルが有してきた歴史的価値と文化的背景を踏まえ、建築と運営の両面から価値を再構築し、次代へと継承されるホテルの創出を目指す。宿泊の予約開始は今秋頃を予定。なお、開業後は山の上ホテルが運営する「てんぷら山の上」の本店がテナントとして再び出店する計画だという。