女性が刺される事件が起きた商業施設「サンシャインシティ」=3月26日、東京都豊島区 東京都豊島区の女性刺殺事件は、元交際相手の男が付きまとい行為をした末に起こしたとみられる。専門家はこうしたストーカー事案について「警察が被害者を守るのにも限界がある。加害者が変わらない限り事件は防げない」と話し、加害者に対するカウンセリングや医療機関での治療の義務化を訴えている。
ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)加害者へのカウンセリングなどを行うNPO法人「女性・人権支援センターステップ」の栗原加代美理事長は、ストーカーの加害者は共通して「自分はかわいそうな被害者だと思っている」と指摘。夫婦や交際関係の解消を「『見捨てられた』『ばかにされた』とマイナスに捉え、怒りが湧いてしまう」という。
さらに「被害者がいないと生きていけない」と執着を強めているとし、栗原理事長は「自己中心的な考えを改めさせ、加害者だと気付かせなければいけない」とカウンセリングなどの重要性を強調する。
ストーカー行為の末、相手に危害を加えるなどの重大事件への発展や、いったんは落ち着いた被害の再開を防ぐため、警察はストーカー規制法に基づく禁止命令を受けた加害者に医療機関などを紹介している。ただ、強制力はないため、2025年に出した禁止命令3037件の加害者のうち、カウンセリングや治療につながったのは1割以下にとどまる。
今回の事件で、女性を刺殺した広川大起容疑者(26)=死亡=も、今年に入り禁止命令を受けた後、カウンセリングを促されたが拒否していた。栗原理事長は「加害者の治療を義務化するなど、法整備を検討するべきだ」と訴えた。