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帝国データバンクは「洋菓子店」の倒産動向について調査した。2025年度の倒産は65件で、物価高を背景に急増した前年度(51件)を約3割上回った。2年連続で過去最多を更新した。
小麦粉やバター・クリームなどの乳製品、カカオといった原材料価格が高騰したほか、包装資材や人件費、水道光熱費などの上昇が影響した。
帝国データバンクは「値上げが難しい『手頃な街のケーキ店』で特に苦境が鮮明となっている」と指摘。
地域密着型の洋菓子店はこれまで、400〜600円程度の中高価格帯を得意としてきた。しかしコンビニスイーツの参入や大手洋菓子チェーンの店舗拡大によって、価格・顧客獲得競争が激化しているという。
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2025年度の洋菓子店の営業利益率は平均0.7%だった。前年度から悪化し、物価が急上昇した2022年度以来の低水準となった。最終赤字となった企業は約3割を超え、減益を含む「業績悪化」の割合は6割近くに達した。
コスト上昇分を価格に転嫁すれば客離れにつながりかねず、かといって据え置けば利益が圧迫されるという難しい状況に直面している。商品のサイズを小さくする「実質値上げ」で対応する店舗もあるが、顧客満足度の低下につながるケースもある。
地域で複数店舗を展開する中堅の洋菓子店で、採算悪化から閉店に追い込まれるケースも目立った。ショッピングセンターなどで7店舗を展開していたグランドルチェ(千葉県市川市)は、原材料費や人件費の上昇を受けて事業継続を断念。フランス菓子店として知られた白鳥菓子工房(埼玉県越谷市)も、収益性の低下に加え、原材料価格の高騰が重なり営業継続が困難になった。
一方、独自のブランド力や品質への支持を獲得した人気店では、価格改定への理解を得ながら利益を確保する動きもみられる。InstagramなどSNSを活用した集客や、予約販売による廃棄ロス削減など、効率化を進める店舗も出ている。
しかし、こうした対応が可能な店舗は一部に限られる。帝国データバンクは「カカオなどの原材料価格は引き続き高騰が見込まれており、経営環境は厳しい。利益を確保できずに淘汰される洋菓子店は今後も高水準で推移するとみられる」と分析した。
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本調査は2000年4月1日〜2025年3月31日における、負債1000万円以上の法的整理による倒産を対象に実施した。
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