家に眠る「不要品」合計額は一人あたり71.5万円…ガラクタに驚きの値段がつくことも「特に40代男性宅はお宝発掘率が高い」

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2026年05月24日 16:20  日刊SPA!

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ダッフィーのぬいぐるみが1000円→13万円に!
 物価高で家計がじわりと圧迫される中、家の中に眠る不用品が、思わぬ“金脈”になるケースが増えている。実家の押し入れに放り込まれた玩具、学生時代に集めたカード、昔のゲームソフト——。本人にとってはガラクタ同然でも、市場では驚くような値がつくこともあるのだ。
◆遺品整理で消えかねない思わぬ高額お宝たち

 フリマアプリ最大手メルカリが発表した「2025年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”に関する調査」によると、家庭内で1年以上使われず保管されている不用品、いわゆる“かくれ資産”は国民一人あたり約71.5万円。国内総額では約91兆円にのぼる。23年調査よりも一人あたり20万円近く増えており、“不用品インフレ”とも言える状況が起きている。

「一番もったいないのは、価値がある物までまとめて処分してしまうことです」

 そう語るのは、家財整理や不用品回収を手掛けるCLSハマリユース代表で、“お片付けの何でも鑑定団”の異名を持つ田廣隆光氏だ。

 特に危ないのが、遺品整理や実家じまいだという。

「解体業者さんに『全部お願いします』と頼んでしまうケースも多いのですが、その中に高額品が紛れていることは珍しくありません。処分前に一度査定を入れるだけで、状況が大きく変わることもあります」

 実際に、田廣氏は数多くの家庭から数十万円、ときには100万円を超えるお宝を発掘してきた。その“目利き力”を磨いてきた場所が、全国数百〜1000カ所以上あるとも言われる、古物商免許を持つ者だけが参加できるプロの競り場「古物市場」だ。その古物市場でも、同氏の“目利き力”は同業者から一目置かれているという。

 例えば、大量のぬいぐるみが山積みにされたバルクセールのカゴの中から、田廣氏だけが“ある一点”に目を留めた。1000円で落札し、ヤフオクに出品したところ、最終的に13万2000円まで値段が跳ね上がった。

「ただのクマのぬいぐるみに見えましたが、実は“ダッフィー”という名前がつく前の“ディズニーベア”時代の初期限定モデルでした」(田廣氏)

◆鉄くずも玩具も化ける、目利きだけが知る真価

 さらに驚くのが、“鉄くず”扱いされていた部品だ。解体業者が持ち込んだ、誰も見向きしなかった25キロ近い鉄の塊を5000円で購入したのだ。

「『三菱重工株式会社 名古屋発動機製作所』という刻印が見えた瞬間、ピンときました」(田廣氏)

 実は旧日本軍戦闘機のエンジン関連部品の可能性が高く、丁寧に磨いて出品したところ、36万円で落札された。

 また、真っ黒に汚れたロボット玩具を10万円で購入した際には、周囲の同業者から「なんでそんな物を買うんだ」と笑われた。しかし、その正体は初期版『トランスフォーマー』の超希少セット。最終的には148万円で売れた。

◆40代男性宅がまさかのお宝発掘スポットに

 そんな田廣氏が「お宝発掘率が高い場所」と語るのが、意外にも“普通の40代男性”の自宅だという。資産家ならいざ知らず、一般家庭にお宝が眠っているとは、にわかに信じがたいが、「特に40代後半くらいの男性宅にうかがうと、“お宝探し状態”になる確率が非常に高い」と断言する。

 理由は、彼らが1980〜90年代カルチャーに触れて育った世代だからだ。しかも、当時のコレクションを捨てずに放置しているケースが多い。

 40代男性宅に眠っていそうなお宝の代表例が、「ビックリマンシール」「カードダス」「ゲームソフト」「週刊少年誌」などだ。

 こうした品々はノスタルジーのまま所蔵していたり、忙しさや家庭の事情で整理できないなどで価値に気づかないまま放置されてしまう場合が多い。

「昔の『週刊少年ジャンプ』はすごいですよ。『ドラゴンボール』や『ワンピース』の初回掲載号は、数十万円、ものによっては数百万円クラスになることもあります」

 特に価格が跳ねやすいのが、「初期版」「限定版」「未開封」「箱付き」といった条件を満たす品だ。

「ゲームソフトや玩具は、箱付きかどうかで価格がかなり変わります。説明書だけで値段が付くこともある。未開封ならなおさらです」

◆木彫りの熊や古いカメラも…捨てれば損する可能性

 さらに、田廣氏が“大穴”として挙げるのが、かつて北海道土産の定番だった「木彫りの熊」だ。

 昭和の実家に無造作に置かれていそうな民芸品だが、作家や年代によっては高額になることがあるという。

「熊の足の裏に作家名や年代が書かれている場合があります。何気なく捨てられがちですが、意外な高値が付くこともあります」

 そのほか、こけしなどの民芸品、昭和レトロ玩具、古いフィルムカメラ、レコード、カセットテープ、アニメグッズなども、安易に捨てないほうがいいという。

「日本人は“古い=価値がない”と思いがちですが、海外では“レトロな日本文化”として人気があります。カビが生えた古いカメラでも欲しがる人は少なくありません」

 一方で、高そうに見えて売れない物もある。代表例が桐ダンスや座卓など大型の和家具だ。かつては高級品だったが、住宅事情やライフスタイルの変化で需要が激減した。

「数十万円で買った家具でも、今は残念ながら買い手がつかないケースが多いですね」

◆売る前に絶対やるべき相場チェックと保管術

 では、実際に“お宝発掘”から売却まで、どのような手順で進めればいいのか。まず田廣氏が強調するのが、「処分しようとする前に、一度立ち止まること」だ。

「価値がわからない物ほど、すぐに捨ててはいけません。箱や説明書だけでなく、付属品やレシートや当時のカタログも残しておいた方がいい。未開封品は絶対に開けないでください」

 次のステップは「相場チェック」だ。メルカリやヤフオクで商品名を検索すれば、おおよその価格帯は分かる。ただし、高額出品されていても、実際には売れていないケースもあるため、「売却済み」や「落札履歴」まで確認する方がよいだろう。

◆査定は立ち会いと比較が鉄則

 そして、最も重要なのが、「誰に査定を頼むか」だ。

「買取大手でも、マニアックな品の価値を見抜けないケースは少なくありません。業者によって得意ジャンルも違うので、最低でも2〜3社から見積もりを取った方がいいです」

 また、家財整理の際は「必ず立ち会うべき」という。

「依頼者も存在を把握していない現金や貴金属が出てくることがありますから、トラブル防止のためにも、査定には立ち会うことを推奨します」

 最後に田廣氏は、こう語る。

「最近はメルカリやヤフオクの普及で、個人でも売買しやすくなりました。ただ、何でも自力でやろうとしなくて大丈夫です。マニアックな品は専門業者に任せた方が高く売れることも多い。大切なのは、“価値が分からないまま捨てない”ことです」

 押し入れの奥に眠る玩具、実家の棚に並ぶ古い食器、学生時代に集めたカードや雑誌——。それらは単なる思い出の品やガラクタではなく、思わぬ“資産”になるかもしれない。一度、自分の部屋や実家を見渡してみるだけでも価値はありそうだ。

(取材・文/中野 龍 構成/安羅英)

【田廣隆光氏】
ハマリユース代表。「モノを後世まで大切に」という価値観のもと、不用品の鑑定、買取、リユースを行っている。各家庭から多くの高額商品を”発掘”し持ち主に還元している

【中野 龍】
1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿

このニュースに関するつぶやき

  • 実家はガラクタの山。本はだいたい捨てたけど、LPレコードやプレイヤー、オープンリールテープレコーダーなどはとってある。
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