独占【 ALS闘病 】声優・津久井教生さん(前編) 〜声を失っても声優であり続ける〜 「声を出せなくなっても、工夫して発信を。今後も、私は『声優』でいたい」

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2026年05月24日 17:06  TBS NEWS DIG

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NHKの『ニャンちゅうワールド放送局』の『ニャンちゅう』役などを務め、現在、ALS(筋萎縮性側索硬化症)で闘病中の声優・津久井教生さん、65歳。
手足の自由を失い、声も出せなくなった今、津久井さんは、自らの声を収録した音声ソフトを使い、TBSのインタビューに答えてくれました。

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◆津久井教生さん◆
「みなさん、こんにちは。津久井教生です。声を出せなくなっても、可能な限り工夫して、このような発信をしています。今後も、私は声優でいたいと思っています。」
「声優のお仕事の面白さは、生身を出す役者と違って、自分自身ではない『人』や『動物』や『植物』や『物』や『宇宙人』や『キャラクター』や『敵怪人』に、『命』を吹き込むことです。」
「言葉だけで、人をひきつけることができる事です。私にとって、声優はやりがいのある楽しいお仕事ですね。」


 




津久井さんは、自身のALS闘病をテーマにした著書『ALSと笑顔で生きる。声を失った声優の「工夫ファクトリー」』を4月27日に出版しました。
手足が動かなくなった後、「視線入力」で、ひと文字ずつ打ち込んで書き上げた一冊です。


 




◆津久井教生さん◆
「今回の出版にあたって、私は一人の人が書いた本は、たくさんの人の協力で成り立っている事を知りました。」
「オリンピックで、メダリストが『このメダルはたくさんの人の協力で勝ち得たのです』と誇らしげに掲げるメダルと同じような感じです。」
「本は装丁が笑顔のようで、私たち夫婦らしいです。素敵な本が出来上がったと思います。」
「今、多くの人に手にとっていただきたいと思っています。そしてALS(筋萎縮性側索硬化症)の事を知っていただければ嬉しいです。」


 



津久井さんの体に、異変が生じたのは、2019年。
最初は、ほんの些細な、日常生活で感じた「違和感」でした。

 



◆津久井教生さん◆
「私は、足から症状が始まったのですが、最初は、『何がなんだかわからない感じ』でした。まず、なんでもない道で派手に転んだのですから。」
「それが、だんだんと『歩きにくさ』を感じるようになってきて、明らかに『何かがおかしい』と、思うようになりました。」
「普通に歩けていた駅までの道が、途中で休まないと、たどり着けなくなったのです。一体、『何が起こっているんだー』という感じでした。」


 


津久井さんは、整形外科を受診。しかし、異常は見つからず、神経内科で検査を重ねますが、原因は、なかなかわかりませんでした。

そして、およそ半年におよぶ検査を重ねた末に、伝えられた病名は…
「ALS・筋萎縮性側索硬化症」。


 



「ALS・筋萎縮性側索硬化症」とは、脳からの「動け」という命令が、体に届かなくなり、筋肉が痩せ細っていく難病。

「意識や感覚は鮮明なまま、徐々に手足の自由が奪われ、やがて、自力での呼吸もできなくなる」と、医師から 伝えられました。

根本的な治療法は、まだ見つかっていません。
 



◆津久井教生さん◆
「まずは病名がわかって、ホッとしたのが一番の思いでした。ただALS(筋萎縮性側索硬化症)と言う診断結果に関しては、やはりショックでした。
できれば避けたかった病名です。
病名が解れば、病気と闘えると思っていたのですが、ALSは治療法が確立していない難病ですからね。」


 



病気や怪我なら、リハビリは「回復」への希望です。
しかし、その当たり前の希望さえ、ALSには通用しません。

「声」を生業にしてきた人が、近い将来、「『声』を失うかもしれない」。
その残酷な、現実に、津久井さんは、静かに立ち向かう決意をしました。


◆津久井教生さん◆
「ALSと闘う方法がないのはショックでした。」
「でもその時点で、まだ『声』は出せていたのです。事務所に協力してもらって、声のお仕事を出来る限り続けさせていただくことになりました。」
「そうなのです。なにもできないわけじゃないのです。今できることをやっていこうと思いました。たくさんの応援も背中を押してくれました。」


 



しかし、ALSの診断と、ほぼ同時期に、さらなる衝撃が、津久井さんを襲います。
肝臓とすい臓の間に、10センチもの腫瘍が見つかったのです。
 



「手術をすれば、寝たきりになるリスクがある」しかし、「手術をしなければ、ALSの治験や、治療すら受けられない」。

声優として、命ともいえる「声」を失う恐怖と闘いながら、彼は「腫瘍摘出手術」を決断しました。
2019年12月12日のことです。


 




 



◆津久井教生さん◆
「腫瘍の摘出手術のあとに真っ先に確かめたのは『はたして声は出るのか』でした。麻酔の残る中、『声』を出しました。」
「すると、しっかり『声』が出ました。
そしてニャンちゅうの声も続けて試しました。
すると、出たのです。よかった。無事に出ました。
よし。これでできることが残りました。前に進めると思いました。」

 



津久井さんは、自身のSNSでALSを公表しました。
病気を隠すのではなく、伝えることを選びました。
それは、同じ病を抱える人たちへの「エール」でもありました。

◆津久井教生さん◆
「ALS(筋萎縮性側索硬化症)と言う難病は、知られているようで、そうでもないという話を聞きました。」
「お仕事を続けるわけですから、しっかりと自分のことも発信していこうと思いました。少しでもALSと言う難病のことを知ってもらう機会になればと思ったのです。」

そして、津久井さんは…“声が出なくなる前に、自分の声を残す「決断」をしました。
音声ソフトを使い、自分の声を、デジタルデータとして、残す作業が始まりました。

 



◆津久井教生さん◆
「ちょうどその頃に、機械の音声ではなく、自分の『声』を収録して喋る技術が登場して来たのです。この技術は『声』を失う可能性のある人には、大変嬉しい技術です。」
「事務所の協力もあり、『出来る事はやってみよう』と言う思いで、収録に臨みました。そして今に繋がっているのです。」

それがいつか、新しい「自分の声」になると信じて…。


 




しかし、ALSは、非情にも進行を続けます。
手足の自由を奪うだけでなく、やがて「呼吸」を司る、筋肉をも動かなくさせていくのです。

徐々に、体の自由を奪っていく「ALS」。そして、津久井さんの、命でもある「声」にも、その病魔は…襲い掛かります。
 



◆津久井教生さん◆
「(2022年)12月9日に気管切開の手術を受けました。同時に『声』を失いました。そして呼吸器の装着となりました。」

 



声を失っても、津久井さんは声優であり続けようとしています。
後編では、津久井さんの、ALSとの闘いにさらに迫ります。

【担当:芸能情報ステーション】

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