【ソフトバンク】最新マシンの“番人”「僕ならどう投げるか」阪神での経験も生かし打撃サポート

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2026年06月23日 05:10  日刊スポーツ

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「トラジェクトアーク」の番人を務めるソフトバンクの先乗りスコアラー兼運営サポートの渡辺雄大さん

<支えタカとよ>


ソフトバンクを支える人々にスポットライトを当て、随時掲載する「支えタカとよ」。26年の第1回は先乗りスコアラー兼運営サポートの渡辺雄大さん(34)。現役時代は左のサイドスローとして活躍。22年には阪神で自己最多32試合に登板し「なべじい」の愛称で虎党からも人気がありました。現在はスコアラーだけでなく、みずほペイペイドームで最新鋭のバーチャルマシン「トラジェクトアーク」を操作する“番人”として、1軍野手陣の相手投手の予習、復習をサポートしています。


   ◇   ◇   ◇


最新鋭のマシン「トラジェクトアーク」を操作するのが渡辺さんの仕事だ。みずほペイペイドームでは今季から2台に増え稼働中。対戦投手の映像を流し、球種、球速、ボールの回転数などを正確に再現する。試合前には選手たちがやってきて、実際に打ったり、軌道を目に焼き付けて予習する。


渡辺さんはケージ後ろで端末を使ってマシンを操作する。わかりやすく言えば正月の人気番組「とんねるずのスポーツ王は俺だ!」の「リアル野球BAN」で次に投げる球を指示する係だ。「レギュラーが見に来る場合は、打つ人もいれば球筋だけ確認する人もいますね」と話す。スタメンの選手が相手先発の確認に来る。野村などは練習の合間にもよく利用するという。


試合後には出番の少ない若手がやってくる。そこからが先乗りスコアラーとして最新の相手投手の姿や状態を把握している渡辺さんの真骨頂。「どんな感じで投げていたか、だいたいのイメージがある。配球表やデータを見ながら、ただデータ通りっていうよりは、昨年1年間やってみて、データ通りよりも、『僕だったらどう投げるかな』と。そうした方が意外とリアルだったりするんです。相手もデータ見て攻めてくるので」。AIで忠実に再現したバーチャルな対戦相手に“人間味”を加えることで、出番が限られ打席が少ない若手に“実戦”経験をサポートしている。阪神時代に当時ヤクルトの村上(ホワイトソックス)や一流打者とマウンドで対戦してきた経験や嗅覚(きゅうかく)が、より実戦的なリアルさを出している。


仕事はボタンを押すだけではない。他球団の試合の映像を見て変化している部分に目を凝らす。新しい投手だけでなく、たとえばワインドアップからノーワインドアップにフォームを改良した投手などもすぐにアップデートする。


「映像を探して編集アプリで切り抜いてマシンに入れて、データも僕が選別して入れて、マシンに学習させる。相手のデータは中途半端に来るので、それを形にするんです」。その映像を製作し、マシンにボールの軌道を覚え込ませるのも、すべて渡辺さんが行っている。


昨年から「番人」となった。昨季はチームが見事に日本一に輝いた。「若い子がたまに出て打ってくれたりするとうれしいですね」。今季は若手の台頭も多い。温厚な人柄と冷静な分析力で選手からの信頼も厚い。これからも最新で、よりリアルな“対戦相手”を作り出し、ナインの試合への準備をサポートし続ける。【石橋隆雄】


◆トラジェクトアーク 実在する投手の球筋や回転率、変化量などを忠実に再現できる打撃練習用マシン。MLBでは大半の球団が導入済みで、ドジャース大谷もエンゼルス時代から愛用する。導入には1台あたり1億円とも言われる。等身大の映像を使い、投手の左右や高低などリリースポイントに合わせて、ボールが飛び出す穴も移動させ、忠実に再現する。


◆渡辺雄大(わたなべ・ゆうた)1991年(平3)9月19日生まれ、新潟県出身。中越では3年夏の新潟大会で準優勝。甲子園の出場経験はなし。青学大の同期にオリックス杉本がいる。BC・新潟では4年間プレー。オフにはユニホームの胸スポンサーでもあるホームセンター「コメリ」(本社・新潟市)の「コメリパワー」でアルバイト。週5日、1日8時間以上働き、資材運びから接客まで幅広くこなした。17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。3年目の20年に支配下となり、2年間で9試合に登板も21年オフに戦力外。阪神と育成契約した。22年の開幕前に支配下となり、サイドスロー左腕はワンポイントとして活躍。自己最多32試合に登板した。23年に引退。オフにソフトバンクの育成スタッフとなった。1軍通算成績は41試合、24回、3勝1敗、11ホールド、防御率2・63。現役時代は185センチ、88キロ。左投げ左打ち。

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