
カイトの言葉は冷たいようでいて、私を守ろうとしてくれているのでしょう。たしかにショウコさんに正論をぶつけるのはリスクがありそうです。カイトは黙って泣き寝入りする代わりに、「付き合いかたを変える」ことを勧めてきました。
リクはお気に入りの傘が返ってこなくてしょんぼりしたままです。そんな様子を見てカイトは優しくリクを抱き上げ、フォローしてくれました。「お友だちが困っているから助けてあげたんだろう? 貸してあげるなんてえらかったね」
こうして私は、ショウコさんに正論をぶつけて悪評を立てられるリスクを負うより、心の境界線を引くことに決めたのです。これからはショウコさんがどんなに困っていたって、絶対に助けることはしません。ドライかもしれませんが、自分の大切なものを守るための境界線です。
リクには週末、新しい傘を買ってあげることになりました。「もう誰にも貸さない」と約束したことで、リクも納得してくれました。
大切な基準が違う相手には、もう二度と手は差し伸べない。そう割り切ることで、ショウコさんへの怒りや悔しさを忘れるようにしたいと思います。
|
|
|
|
