限定公開( 39 )

地図を眺めながら、「これはどこの県だっけ」と考えたことはないだろうか。そんな都道府県の形を、そのまま持ち歩けるシリーズに新作が加わった。
地図情報大手のゼンリン(福岡県北九州市)は2023年、都道府県の形をそのままデザインした「47都道府県ピンバッジ」を発売した。出身地や思い出の土地を身に着けられるアイテムとして人気を集め、「自分の県もほしい」といった声を受けてカラーバージョンや18金・銀製モデルも展開するなど、シリーズが広がっていた。
その最新作が、「都道府県型キーホルダー」である。47都道府県の輪郭をできるだけ忠実に残しながら、カラビナとして使えるようデザインした。価格は2640円。バッグやリュックに取り付け、鍵や小物を掛けられる実用品でもある。
開発を担当したビジネス企画室の大久保若葉さんは、旅行先でカラビナを使う機会が多かったことから、この商品を思いついたという。
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「バッグにちょっとしたものを引っかけるためにカラビナを付けていることがよくありました。『もっとかわいくて愛着の持てるカラビナをつくれないか』と考えたのがきっかけです。都道府県の形をそのまま生かせば、一目でインパクトのあるキーホルダーになると思いました」
試作品を公式Xで公開すると、「自分にゆかりのある都道府県がほしい」といった反響が寄せられた。そこで2025年に東京都や神奈川県、兵庫県など7都県を先行販売。その後40道府県を追加し、今回47都道府県がそろった。
●開発で最も苦労したのは熊本県
とはいえ、都道府県の輪郭をそのままカラビナにするのは簡単ではない。
開発で最も苦労したのは、熊本県だった。当初は阿蘇山周辺にカラビナの開口部を設ける予定だったが、天草諸島を含めた全体のバランスが取れなかったという。
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「地図の印象を変えずにカラビナとして成立させるために、何度も試作を重ねました」(大久保さん)
最終的には、本土と天草諸島の間に開口部を設けることで、熊本県らしいシルエットを保ちながら実用性も確保した。京都府や鳥取県のような細長い県も、強度や使いやすさとの両立に苦労したという。
一方、開発の中で印象に残った県はどうか。大久保さんが挙げたのは青森県だ。
「一見すると開口部を設けやすそうに見えても、調整が難しい県は多いのですが、青森県は形状の特徴を生かしながらイメージ通りに仕上げることができました」
完成品は、一目で青森県と分かるデザインに仕上がった。カラーリングも、リンゴの皮と果肉をイメージした赤と白を採用している。
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●一番人気は群馬県
このシリーズには、以前から変わらない傾向も見えている。
先行販売した7都県の中で、人気1位は群馬県。2位は兵庫県、3位は千葉県、4位は神奈川県と続き、東京都は7位だった。
実は、2023年に発売した「47都道府県ピンバッジ」や、その後発売したカラーバージョンのピンズでも、群馬県は販売数トップだった。シリーズが変わっても首位を維持しており、この傾向は今回も変わらなかった。
その理由について、大久保さんは「県民の方々が、県の形に対する愛着を強く持っていることも要因の一つではないか」とみる。
群馬県では、学校などで郷土かるた「上毛かるた」に親しむ機会が多く、「つる舞う形の群馬県」という札を通して、子どもの頃から県の形を覚える人が多い。こうした経験が、県のシルエットへの親しみや愛着につながっているのかもしれない。
●長年蓄積してきたアセット
人口の多さだけでは売れ行きを説明できない点も、このシリーズの面白いところだ。出身地だから、旅行の思い出があるから、あるいは県の形そのものが印象に残っているから。購入する理由は人それぞれだが、地域とのつながりが選ぶ楽しさにつながっているように見える。
都道府県シリーズは、ゼンリンが展開する雑貨ブランド「Map Design GALLERY」のラインアップの一つだ。同ブランドでは、全国の詳細な地図データや古地図をデザインの題材として、文具、バッグ、食器などを販売している。
地図では脇役だった都道府県の輪郭が、このアイテムでは主役になる。そして、シリーズが変わっても群馬県はやはり強かった。「つる舞う形」の人気は、どうやらそう簡単には“型崩れ”しないようだ。
(土肥義則)
※下記の関連記事にある『【完全版】「都道府県型キーホルダー」が登場 なぜ「群馬県」はまた1位だったのか』では、配信していない豊富な写真とともに記事を閲覧できます。
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都道府県型キーホルダーが登場(写真:ITmedia ビジネスオンライン)105

都道府県型キーホルダーが登場(写真:ITmedia ビジネスオンライン)105