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百貨店業界が厳しい現実に直面している。東京商工リサーチによると、主要百貨店58社の2025年度決算は、売上高合計が2兆630億円(前期比580億円減)、純利益合計が1113億円(同365億円減)で「減収減益」となった。倒産や廃業などで対象社数は5年前の前回調査から8社減り、閉店の動きが続いている。
2025年度は減収が49社(84.4%)と、増収の9社(15.5%)を大きく上回った。2024年度は減収32社(55.1%)、増収26社(44.8%)と拮抗していたが、減収のトレンドがはっきり表れた。
2024年度は価格転嫁に伴う値上げ効果が増収を支えたが、人件費をはじめとするコストアップで採算は悪化し、2期連続の減益となった。利益が判明した57社のうち、40社(70.1%)が減益となった。
損益別では、赤字企業は22社(38.5%)にのぼり、前年度から5社増えた。大都市を中心にインバウンド需要で回復する動きもみられるが、ショッピングモールや専門店、ECサイトへの顧客流出が続き、客数減による販売不振は深刻さを増している。
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●「空白県」は4県に。地場は9割が減収
単体ベースの売上高トップは、近畿圏や首都圏を中心に展開する「高島屋」(3280億円)だった。2位は「三越伊勢丹」(2833億円)、3位は「大丸松坂屋百貨店」(2499億円)と続いた。ただ、売上高上位20社のうち15社が2024年度を下回っており、業界大手も厳しい経営環境に置かれていることが分かる。
利益額のトップは「三越伊勢丹」(828億円)で、構造改革による経費圧縮や関係会社株式の売却益などが利益を押し上げた。
地方の百貨店はより厳しい。大手私鉄傘下などを除く「地場独立系」の26社は、売上高合計が3007億円(前期比4.0%減)で2期連続の減収となり、23社が減収だった。
売上高トップは、銀座と浅草に店舗を構える松屋(東京都、377億円)。以下、天満屋(岡山県)、藤崎(宮城県)と続くが、上位10社はすべて減収だった。10社の売上高合計は1907億円と、高島屋1社の3分の2にとどまり、大手と地場の間には圧倒的な事業規模の格差がある。
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閉店・廃業の動きも目立つ。名古屋駅前の顔として知られた名鉄百貨店本店は2026年2月、再開発計画に伴い70年以上の歴史に幕を下ろした。親会社の名古屋鉄道は7月24日、9月1日付での名鉄百貨店の解散を公表するなど、大手系列、地場独立系を問わず、2026年以降、全国で8店舗の閉店が判明している(予定含む)。
百貨店のない「空白県」は、山形・徳島・島根の各県に岐阜県が加わり、全国4県に増加。百貨店が1店舗のみの「空白予備軍」も16県にのぼる。東京商工リサーチは、「かつての『地方名門』のブランド力だけでは、生き残りは難しくなっている」と分析する。
調査は、最新決算が判明した主要58社(持株会社を除く)を対象に実施した。
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