「寝る前30分のスマホ」が招く、睡眠不足の先に待ち受ける“心臓と脳の病気”

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2026年08月21日 12:20  マイナビニュース

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「今は症状がないから大丈夫」という油断が、将来の健康リスクにつながるかもしれない。『毎日の小さな習慣が病気をつくる ヤバイ健康負債』(Dr.パンダ/あさ出版)では、高血圧や糖尿病、認知症などの病気と生活習慣の関係を「健康負債」という新しい視点で解説。日々の小さな選択が将来にどう影響するのか、医学的な知見をもとに読み解いていく。



今回のテーマは「 寝る前30分のスマホは睡眠不足だけでなく、心臓、血管への負担にもなる」。

○寝る前にスマホを操作していませんか?



「布団に入ってからSNSを見る」「動画を1本だけ観るつもりが、気づけば30分以上経っている」「通知が気になって、寝る直前までスマホを見てしまう」。このような習慣は、単に寝る時間を削るだけではありません。寝る前のスマホ使用は、睡眠時間の短縮、寝つきの悪化、夜間の覚醒、睡眠の質の低下と関連することが報告されています。成人を対象とした研究でも、ベッドでのスマホ使用は、寝つきにかかる時間、夜間の覚醒、心拍数や心拍変動などに悪影響を及ぼす可能性が示されています。



なぜ、スマホが睡眠を妨げるのでしょうか。理由は大きく3つあります。



ひとつめは、光の刺激です。スマホやパソコンの画面から出る光(ブルーライト)は、脳に「まだ昼間だ」と錯覚させ、眠気を促すメラトニンの分泌や体内時計に影響する可能性があります。



2つめは、脳が覚醒することです。SNS、ニュース、動画、ゲーム、仕事のメールなどは、内容そのものが脳を刺激します。楽しい内容でも、不安になる内容でも、脳が活動モードになり、寝つきにくくなります。



3つめは、時間が延びやすいことです。スマホは「少しだけ」のつもりでも、次の動画、投稿、通知へと続きやすく、気づかないうちに就寝時刻が遅くなります。



このような習慣を続けていると、自覚がなくても慢性的な睡眠不足になります。そして、意外に思うかもしれませんが、こうした睡眠不足は高血圧や動脈硬化といった健康リスクを高めることにもつながるのです。

○睡眠不足は心臓病や脳卒中のリスクにつながる



慢性的な睡眠不足は、全身のさまざまな健康障害のリスクを高め、特に心血管系の障害(高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中など)との関連が数多く報告されています。



通常、深い睡眠中には血圧や心拍数が低下して心臓・血管を休ませています。しかし寝不足が続くと夜間に十分血圧が下がらず、交感神経が優位な状態が続きやすくなります。つまり、本来なら休むはずの夜間にも、体が軽い緊張状態のままになってしまうのです。



実際、短時間睡眠は高血圧の発症リスク上昇と関連することが、複数の研究をまとめた解析で報告されています。



睡眠不足は、「血管」にも影響します。寝不足や睡眠の質の低下が続くと、交感神経の緊張、血糖や脂質代謝の乱れ、炎症、酸化ストレスが起こりやすくなります。これらが重なると、血管の内側を覆う血管内皮の働きが悪くなり、LDLコレステロールが血管壁に入り込みやすい環境がつくられます。その結果、動脈硬化が進みやすくなると考えられています。



睡眠と動脈硬化の関係については、自律神経、代謝、免疫・炎症の経路を介して心血管リスクに影響する可能性が示唆されています。



ここで言う「コレステロールが蓄積しやすくなる」とは、寝不足だけでコレステロールが一気に増えるという意味ではありません。睡眠不足によって血管の炎症や代謝の乱れが起こり、動脈の壁に脂質がたまりやすい状態が続く、という意味です。



このような高血圧や動脈硬化の進行により、心筋梗塞や脳卒中といった重大な心血管疾患のリスクが高まります。短時間睡眠は、肥満、2型糖尿病、高血圧、脳卒中、冠動脈疾患などのリスクと関連し、一部では因果的な関係も示唆されています。



つまり、寝る前のスマホは「目が悪くなる」「寝つきが悪くなる」だけの問題ではありません。睡眠不足を通じて、血圧、血管、代謝に負担をかける生活習慣の一つとして考える必要があるのです。



【前提】●寝る前のスマホ、PCの利用を控える

前述の通り、スマホやパソコンなどスクリーンから発せられるブルーライトは脳を覚醒させてしまいます。少なくとも就寝30〜60分前、可能であれば1〜2時間前から、スマホやパソコンなどの電子機器の使用を控える習慣をつけましょう。

どうしても使う必要がある場合は、画面を暗くしたりブルーライトカットの眼鏡やナイトモード機能を活用したりしてください。ただし、スマホが睡眠を妨げる理由は、光だけではありません。SNS、ニュース、動画、ゲーム、仕事のメールなどは、脳が活動モードになり、寝つきにくくなります。可能な限り、寝る前の利用は控えるのが理想と言えるでしょう。


【パンダ式健康習慣】

・スマホの充電場所を寝室の外にする

寝る前のスマホをやめる一番簡単な方法は、意思の力に頼らず、スマホを物理的に手の届かない場所へ置くことです。ベッド横などでスマホを充電しているという人は、寝室ではなくリビングや廊下で充電するようにしましょう。

また、目覚まし時計としてスマホを使っている人は、代わりに置き時計を用意するだけでも習慣を変えやすくなります。「寝る前にスマホを見ない」と決めるより、「寝室にスマホを持ち込まない」と決めるほうが実行しやすいのです。

・通知を切り、夜のスマホを“つまらなくする”

就寝1時間前からは、スマホの通知をオフにしましょう。SNS、ニュース、動画アプリの通知が残っていると、つい確認したくなります。スマホを完全にやめるのが難しい場合でも、夜だけは通知を切る、画面をグレースケールにする、動画アプリを開かない、仕事のメールを見ない、といった工夫で脳への刺激を減らすことができます。

・午後早い時間に昼寝をする

日中に眠気が強い場合、短時間の昼寝は有効です。ただし長く眠りすぎると夜の睡眠に影響するため、昼寝は20〜30分以内、午後の早い時間帯にとどめるようにします。夕方以降の仮眠は夜眠れなくなる原因になるので注意しましょう。


○『毎日の小さな習慣が病気をつくる ヤバイ健康負債』(Dr.パンダ/あさ出版)


登録者数約40万人を誇る人気YouTuber・Dr.パンダが、予防医学の観点から“本当に正しい健康習慣”をやさしく丁寧に解説!私たちは、何気ない日々の生活の中で、悪いと気づかないまま身体に負担をかけ、「健康負債」を積み重ねています。本書では、健康負債につながる間違った健康法や生活習慣を明らかにし、その背景にある医学的根拠=エビデンスとともに、改善策をわかりやすく紹介します。がんの予防と早期発見の方法や気をつけたい大病の予防、さらには健康寿命を延ばす食事術や生活習慣まで網羅。「正しい知識」と「続けられる実践法」を一冊に凝縮した“健康書の決定版”です。

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